日本のフィギュアスケートでアイスダンスやペアは弱いのはなぜ? 理由を4つにまとめました!
投稿日:2019年1月17日 更新日:
昔、日本のフィギュアスケートがまだまだ人気が弱かったころ、シングルのスケーターをヒロインにした漫画が描かれていました。
漫画の世界の中では、ヒロインたちは途中からシングルよりもペアに、アイスダンスにと転向します。
しかし、実際には日本で有名なシングルスケーターがペアやアイスダンスに転向するというのはほとんどありませんね。
それはどうしてでしょうか。
なぜ、日本はアイスダンスやペアがあまり強くないのでしょうか。
ちなみに、当記事以外のフィギュアスケート記事をまとめた記事は以下になります。
フィギュアスケートをより楽しむために~当ブログの記事を解説付きでまとめました!
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日本のフィギュアスケートのペアやアイスダンスが弱い理由1:
有名選手が少なく、先駆者となる選手がいない!
現実的にはフィギュアスケーター同士のカップルというのは難しいようです。
伝説のペアスケーター「ロドニナ&ザイツェフ」ペアという二人がいました。
女性のイリーナ・ロドニナは10回の世界選手権優勝、3回のオリンピック優勝を果たす、まさにペアスケーターの女王でした。
日本では、こういった伝説的なペアはいません。
イリーナ・ロドニナは、はじめにアレクセイ・ウラノフとペアを組んでいましたが、その後解消します。
その後、19歳のアレクサンドル・ザイツェフとペアを組み、結婚をしています。
現役時代はザイツェフと夫婦関係を続けながらのペアスケーターとして有名でした。
引退後は指導者となり、ザイツェフと離婚し、映画監督のメコフスキーと再婚するも、その後離婚をして、現在は独身者として、後輩の指導をしています。
ペアを組むパートナー同士では、兄妹や姉弟、夫婦、恋人という関係が多くいます。
しかし、ペアを続けるために、恋人や夫婦を続けるというのは、ペアを解消した後にはこういった現実もあるのかもしれません。
ロシアには、世界屈指の指導者がいます。
ロドニナの存在は、今でもロシアのペアスケート界を支えています。
アイスダンスのペアも、アメリカやカナダを除くと、ほとんどが旧ソビエトの選手ばかりです。
マリナ・クリモア、マリナ・アニシナ、最近はメリル・デイビス、テッサ・ヴァーチェ、イザベル・ドロベルといったアメリカやカナダ、フランスの選手も活躍していますが、ロシアやウクライナの選手はやはり強いです。
それと比較して、日本は強い選手が少なく、先駆者となる有名選手がいません。
そのため、世界一流の空気を感じたことのある指導者が日本には少なく、ペアやアイスダンスで日本人が弱い原因の一つであると考えられます。
日本のフィギュアスケートのペアやアイスダンスが弱い理由2:
アイスダンスは氷上の社交ダンス! 日本人には馴染みがない!
アイスダンスは、別名氷上の社交ダンスです。
普通のシングルスケートと違い、ジャンプをポンポン跳ぶような、アクティブな動きはありません。
アイスダンスは、ステップの美しさや表現力の豊かさ、2人の美しい息の合った美しい演技を求められます。
女性は、ペアのように高いリフトをされることもなく、男性の腰の高さまでの支えになります。
そのため、アクティブな動きではなく優雅な動きが重要になります。
アメリカやカナダは、高校の卒業の時にプロムがあり、カップルでダンスをする、という習慣がありますね。
ヨーロッパにも、成人の祝いにワルツを踊るというのが良くあります。
日本で社交ダンスというと、大学などの競技ダンス部を除くと、映画「shall we dance」にもあるように、中年のカップルがダンススタジオで踊るイメージがまだまだあります。
最近は、「ボールルームへようこそ!」のアニメで、若い人にも競技ダンスの世界に馴染みが出てきましたが、実際にはまだまだです。
体育の授業でダンスと柔道が必修になり、男女ともダンスを学ぶようになりましたが、それもジャズダンスのようなものが多く、社交ダンスには程遠いものです。
元々日本の踊りは、日舞や盆踊りで、社交ダンスとはまるきり違う踊りになっています。
まして、男女が身体を密着して踊るなんて、バブル期以降に始まったことで、そういった点でも、昭和世代には無関係の男女がダンスをするということに対しての抵抗感がありました。
そのため、なかなか指導者になるような先人がいない、というのが現状です。
つまり、日本人にはダンスという競技そのものに馴染みがないのです。
フィギュアスケーターのアイスダンスのカップルは、氷上の練習だけでなく、ダンスの練習もします。
ダンスの指導者そのものもまだまだ少ないため、アイスダンスにまで回る人材は少ないのではないでしょうか。
また、アメリカではシングルの練習の前にカップルでの練習から始めますので、そこでペアやカップルの練習に向いていない人がシングルになります。
しかし、元々シングルの選手を目指す中で、アイスダンスに転向するという例が多いです。
日本では、はじめからアイスダンスを目指すという選手そのものが少ないのかもしれません。
日本のフィギュアスケートのペアやアイスダンスが弱い理由3:
日本人の男性スケーターは女性を支えられない
日本のペアのカップルは、女性が日本人で男性が外国人というのが多くなっています。
他の競技でも、日本人ではない人が帰化して出ていますから、良いのですが。
ペアの場合は、男性は普通のスケーティング以外に、リフトやスロージャンプ、ツイストリフト、デススパイラルと女性を支える要素がたくさんあります。
そのためには、上半身の筋力があり体幹がしっかりとしていないと、女性が安心してスケーティングできません。
しかし、日本の男性スケーターの多くは、シングルスケーターが多く、細身です。
ペアには女性をスロージャンプで投げて、男性の腕力だけで女性が三回転できるようにします。
ツイストリフトでは、女性の三回転を男性が補助し、その後着地の時に男性が女性を受け止める、というものがあります。
リフトは片手で女性を支えることもありますので、かなりの腕と肩、上半身、そして自身の身体を支えるだけの力が必要です。
一緒に二人でトリプルアクセルや三回転を跳ぶというのもあります。
女性を跳ばすだけの腕力がありながら、自身も跳ぶことができる、というのはシングルのスケーターよりも優秀ではないとできない、ということです。
そのため、フィギュアスケート漫画は、それぞれシングルでやっていた二人が、やがてペアを組んでというものがたくさんあります。
それだけ、漫画を描く人でもペアこそフィギュアスケーターの真骨頂と考えているのかもしれません。
人気漫画「七つの大罪」の原作者鈴木央のフィギュアスケート漫画「ブリザードアクセル」は二人で四回転するという、とんでもないものもありました。
日本のフィギュアスケートのペアやアイスダンスが弱い理由4:
日本にはカップル練習のための場所が少ない
日本は、欧米と比較し練習する場所が少ないというのが一番の問題です。
ペアやアイスダンスは2人分のスペースが必要なため、リンクを目いっぱい使うことになります。
しかし、日本のリンクは狭くシングルの練習でいっぱいというのが現状です。
これだけ、諸外国よりも人気が高まり、有名なスケーターが増えているにも関わらず、リンクの数は年々減少しています。
そのためアイスダンスやペアのスケーターは、皆さん欧米を拠点に練習をしています。
特に、ペアはスロージャンプやリフト、デススパイラルでは、シングルの2倍近いスペースがないと、ぶつかってしまいます。
こういった大技の練習場所がないのも日本のペアやアイスダンスのスケーターが弱い理由かもしれません。
日本のフィギュアスケートのペアやアイスダンスが弱い理由まとめ
・日本ではペアやアイスダンスを指導する先駆者となるような有名選手がいません。
・アイスダンスの原点となる社交ダンスを踊るという習慣がないため、アイスダンスのペアがなかなか育ちません。
・フィギュアスケートの男性シングルスケーターは、細い人が多く、ペアの女性を支える力がありません。
・日本はリンクが少なく、広い場所を必要とするアイスダンスやペアの練習が十分にできません。
以上のことから、日本ではどうしてもアイスダンスやペアのスケーターが育ちにくく、弱いということになっています。
しかし、日本人の体型も徐々に欧米化しています。
これから日本でもアイスダンスやペアのスケーターが出てくるかもしれませんね。
ちなみに、当記事以外のフィギュアスケート記事をまとめた記事は以下になります。
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執筆者:woodbat
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