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フィギュアスケート選手のダイエット事情! 食事制限で拒食症(摂食障害)になるって本当?

投稿日:2019年1月16日 更新日:

フィギュアスケーターにとって、必要以上に体重を増やしてしまうのは、きれいな演技やきれいなジャンプをするためにはNGです。

 

欧米の選手と比較し、どうしても身長が低めの日本人のスケーターにとって、体重の管理はとても難しいです。

 

選手の中には体重を増やさないために食事制限をして、中には摂食障害を起こしてしまう人もいます。

 

しかし、しっかりと栄養を摂らないと、骨密度が低くなり疲労骨折を起こしてしまったり、肝心の筋肉もなくなってしまったりして、ジャンプができなくなります。

 

故障しやすくなり、ケガでシーズンを棒に振ってしまうこともあります。

 

今回は、そんな食事制限との闘いもしているアスリート、フィギュアスケーターのご紹介です。

 

ちなみに、当記事以外のフィギュアスケート記事をまとめた記事は以下になります。

フィギュアスケートをより楽しむために~当ブログの記事を解説付きでまとめました!

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フィギュアスケート選手の体脂肪率:ダイエットなんてする必要あるの?

皆さんは、肥満を測る時に体重、BMI値、腹囲、体脂肪という数値があるのをご存知ですか?一般の人は、BMI値で肥満か標準か痩せすぎを判断します。

 

さらに、体脂肪を測ることもありますが、17歳から29歳までの一般女性の場合は体脂肪が20~27パーセントなら標準になります。

 

しかし、アスリートは筋肉が多いため、普通の人よりも体脂肪が低い人が多いのが特徴です。

 

その中でも、他のアスリートと比較しても、フィギュアスケーターや体操選手の体脂肪率はとても低くなります。

 

羽生結弦は体脂肪が3パーセント、浅田真央が7パーセント、宮原知子が6パーセントというデータがあります。

 

テニスやスキーの選手は20パーセント、陸上やバスケット選手が20パーセント、水泳選手が10パーセント、体操選手が10パーセントですから、その低さがよくわかります。

フィギュアスケート選手のBMI値:筋肉は残すダイエットが必要

しかし、女子選手はガリガリではない筋肉をしっかりと保ったきれいな身体の線を作ることが大切です。

 

きれいなイーグルやスパイラルなどを見せるためには、女性らしい柔らかい身体を見せることも大切です。

 

また、ジャンプをする時のばねとなる筋肉と、着地の時に体重を支えるだけのしっかりとした骨が必要です。

 

そのため、体脂肪が低くても、決して体重が少ないというわけではありません。

 

体型バランスのBMI値を測ると、骨密度がしっかりとして筋肉がしっかりとついているフィギュアスケーターは決して痩せすぎの範囲に入らない人も大勢います。

 

BMI値を見ると、体脂肪が6パーセントの宮原知子でも、18.85になり決して痩せすぎではありません。

 

BMI値は体重を身長の二乗で割ったときの数値です。

 

計算式はBMI値=体重(kg)÷〈身長(m)×身長(m)〉になります。

 

18歳~49歳までの女性の標準は18.5~24.9ですので、宮原知子の18.85はギリギリですが標準になります。

 

背が高めの浅田真央は17.7になり、ちょっと痩せ気味ではありますが、決してガリガリというわけではありません。

フィギュアスケート選手のダイエット

しかし、紀平梨花や樋口新葉、坂本花織、本田真凛といった高校生選手はまだ成長期です。

 

そのため、身長が伸びると同時に女性らしい身体つきになってしまい、ちょっと油断すると体重が増えてしまう恐怖と戦うことになります。

 

宮原知子は以前ダイエットの失敗で疲労骨折をしています。

 

体重も30キロ台になっていたこともあります。

 

10代後半の選手はちょうど女性らしい身体つきになる成長期で、普通の女子高生なら一番体重が増える時です。

 

ジュニアからシニアになる時に、女子選手はこの時期になり、それまで軽々と跳んでいたトリプルジャンプやトリプルアクセルもが跳べなくなります。

 

女性ホルモンが盛んに分泌される10代後半は、カルシウムを骨にするための「骨芽細胞」も作られます。

 

骨芽細胞はコレステロールを成分とし、コレステロールは脂肪を原料としています。

 

しかし、体重を抑えようと脂肪の摂取を抑えると女性ホルモンが作られなくなり骨芽細胞が不足してしまいます。

 

そのために、体重制限をするアスリートの中には、女性ホルモンが不足する中高年の「閉経」状態になってしまう人もいます。

 

閉経状態になると、骨密度が減少しやがて疲労骨折を起こすことになります。

 

しかし、体重の増加も足に負担がかかります。

 

トリプルを跳んでも着地の時に、体重が膝やふくらはぎ、足首の負担となり怪我をすることもあります。

 

これは日本の選手だけでなく、海外の選手も同じでダイエットのために専門の栄養士がついて指導している国もあります。

フィギュアスケート選手の理想の食生活:摂食障害を防ぐために

日本のフィギュアスケーターでは、鈴木明子が一時拒食症(摂食障害)で体重が32kgまで落ちるということがありました。

 

しかし、彼女は実家が割烹料理店と和食のスペシャリストのため、子どものころからの骨貯金が幸いし、骨密度が下がることはありませんでした。

 

彼女の場合は、子どものころから薄味、手作りが当たり前の環境の中で育ったにも関わらず、大学進学後1人暮らしを始めたとたんに、摂食障害になります。

 

家事に練習、勉強と手を抜くことができない、「完璧な食生活と自己管理をしなければいけない」、出来合いの総菜などを購入するなんてあり得ないという、几帳面さが災いし、結果体重に固執するようになってしまったそうです。

 

それが原因でどんどんと食べられなくなり、摂食障害となりました。

 

それを克服することができたのは、周囲の協力と何よりも家族の言葉だったそうです。

 

宮原知子もダイエットが原因と思われる疲労骨折を経験していますが、親が医師ということもあり、その後食生活を改善しています。

 

それでは、アスリートの筋肉やしっかりとした骨を作るためには、どんな食生活が良いのでしょうか。

 

まず、鈴木明子が摂食障害になりながらも、立ち直れた理由には子どものころからの正しい食生活にあります。

 

市販の調味料や出来合いのおかずや外食ができない、というのはある意味問題かもしれませんが、子どものころにこういったものに頼って成長すると、好き嫌いや偏食気味の味覚が育ってしまいます。

 

小さいころから本当においしいものを食べていたため、肉・魚・野菜と何でもバランスよく食べていたのではないでしょうか。

 

そのため、糖質を制限してダイエットをするなんて言う馬鹿なことをせず、肉や大豆からビタミンB1を摂って糖質のカロリーをエネルギーに変えて、スケートの練習で消費するということができました。

 

ロシアではバレリーナの養成所では「蕎麦の実」を毎日食べて食物繊維やビタミンB群を摂るようにしているそうです。

 

宮原知子はカルシウムを作るために必要な脂質と女性ホルモンを大豆から摂るという食生活を意識するようになったそうです。

 

宮原知子が毎日摂るようにしたのが「納豆」です。

 

大豆は、乳製品と同じくらいカルシウムの吸収が良く、さらにカルシウムを骨にするための女性ホルモンの原料を摂ることができます。

 

大豆はたんぱく質・カルシウム・リン・イソフラボンと筋肉と骨を作るための成分が入っていますので、毎日摂ることが大切です。

 

アスリートだけではなく、普通の人でも毎日摂ると良いですね。

フィギュアスケート選手のダイエットや食事事情まとめ

・フィギュアスケーターは体脂肪が少なく痩せて見えても、決して痩せすぎではありません。しっかりとした筋肉と骨がついているのが理想です。

 

・しかし、成長期には身長と同時に体重も増えます。特に女子は女性らしい身体つきになるため、体重が増えることもあります。

 

・女性ホルモンは骨の原料となる骨芽細胞の成分になります。そして、その原料が脂肪です。脂肪も必要だけれど、ジャンプの時の足の負担を考えると体重を増やすことができないため、10代後半のスケーターは日本だけでなく、どの国の女子選手も食事の改善が課題になります。

 

・食事制限をしても、幼少期から好き嫌いをしない正しい食生活をすることで、骨密度の減少を抑えることができます。

 

・フィギュアスケーターは、大豆や肉・魚・野菜とバランスの摂れた食生活で、体脂肪が少ない身体を作ることが必要です。

 

体脂肪が少なく、しかし骨や筋肉がしっかりとついている身体というのはフィギュアスケーターだけでなく、私たち一般人にも必要なことです。

 

毎日、甘いものや簡単な食生活に頼るのではなく、バランスの良い食生活を心がけましょう。

 

ちなみに、当記事以外のフィギュアスケート記事をまとめた記事は以下になります。

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