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フィギュアスケートの年齢制限ってなに? 理由は? 区切りが1月じゃなくて7月?

投稿日:2019年2月19日 更新日:

色々な競技や大会で、年齢制限というものがあります。

 

出場年齢は満15歳以上、17歳以上といったものです。

 

例えば、ポーランドで5年に一度開催される「ショパンピアノ国際コンクール」は16歳以上30歳以下という年齢制限があります。

 

2019年現在、体操や水泳競技のオリンピックの出場資格は15歳以上となっています。

 

オリンピックそのものに年齢制限はありませんが、種目別でそれぞれの出場選手の年齢制限を設けています。

 

体操の場合は学年齢ではなく、12月31日までの年齢で制限を設けているようです。

 

水泳はオリンピックの出場年齢は女子が15歳以上、男子は16歳以上となっていますが、その他に各年齢での泳ぐタイムなどでも出場資格が違い、とても細かい区別があるようです。

 

1900年代のオリンピックでは、今のような種目別の年齢制限がないものばかりで、14歳や12歳の選手が出場することもありました。

 

より年齢が低い金メダリストが生まれると、最年少記録と話題になりました。

 

それでは、フィギュアスケートの年齢制限はどうなのでしょうか。

 

試合の時に耳にする「ノービス」「ジュニア」「シニア」はどう区別するのでしょうか。

 

フィギュアスケートでは、同じ学年でもジュニアとシニアに分かれているのはどうしてでしょうか?

 

それでは、フィギュアスケートの年齢制限と新年のお話です。

 

ちなみに、当記事以外のフィギュアスケート記事をまとめた記事は以下になります。

フィギュアスケートをより楽しむために~当ブログの記事を解説付きでまとめました!

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フィギュアスケート選手の年齢の区切りは7月1日

私たちは一年の初めというと、2つの日を思い浮かべますね。

 

一つは、その言葉通り「1月1日」そして、年度の初めになる「4月1日」です。

 

日本は4月が年度の初めになるため、4月から「同じ学年」=「同じ歳」というイメージがあります。

 

学校や一部の会社では4月が一年の始まりとなり、その時の年齢で「同級生」「同期」「同学年」と言います。

 

しかし、欧米は9月から新学年になることも多く、日本とは学年の数え方も違います。

 

このように、1月1日以外では、国や地域・所属する社会で新年度、新学年を意味する月日が違っています。

 

日本のプロ野球は新しい選手が学校を卒業して、チームに入団し試合に出るために、学校と同じように4月1日が新しいシーズの始まりになりますが、サッカーのJリーグはアジアカップの日程の都合や真夏の試合を避けるために、3月から新しいシーズンが始まります。

 

新しいシーズンが始まる時がその年度の始まりの時というなら、フィギュアスケートは7月になります。

 

フィギュアスケートでは、ほとんどの大会や試合が秋から春までに集中します。

 

そのため、7月からを新年度とし、次の年の5月にはそのシーズンの大会がほとんど終わり、6月がシーズンオフになります。

 

これは日本だけでなく、欧米も同じです。7月1日に何歳になっていたかという年齢で、「ノービス」「ジュニア」「シニア」という分け方をしています。

 

そこで、7月1日からの年齢が10歳以上13歳以下ならノービス、13歳以上18歳以下がジュニア、15歳以上がシニアになります。

 

フィギュアスケーターの学年齢は7月1日をはじめとして考えます。

 

そのため、同じ中学3年生でも5月生まれの人はシニアの大会に出ることができますが、8月生まれの人はジュニアの大会にしか出られません。

選手の経歴を見て、どうして同じ学年なのに、と疑問に思ったとしたらこういった違いであることが考えられます。

なぜフィギュアスケートに年齢制限があるの?

1900年代、昭和のころはオリンピックの出場でも年齢制限を厳しくしている競技はほとんどありませんでした。

 

フィギュアスケートも、シニアの全日本選手権に12歳の渡部絵美が出場していました。

 

これはフィギュアスケートだけでなく体操競技でも言われていたことです。

 

当時のオリンピックは「代理戦争」と呼ばれるものでした。

 

より、表彰台に多く上がった国の方が優れている、というのがすべてとも言われていました。

 

つい最近まで、選手だけでなくコーチや監督も、国際大会にチームや選手が勝つと一生の保証がされるが、負けると命の保証さえ難しいという国もあったくらいです。

 

そのため、フィギュアスケートや体操の世界では、女子が最も軽やかに難度の高い演技ができる、女性になる前の「細く柔らかく機敏な体型」を維持することを良しとしていました。

 

そのための薬物投与などもなされていたのでは、という疑問が上がった国もあります。

 

当時はより幼いころからの英才教育を行った国が勝利する、というのが当たり前となっていました。

 

今でも、ロシアや中国では、スポーツはもちろんバレエや音楽、囲碁などの世界で幼いころから才能のある子どもたちを集めた英才教育が行われています。

 

逆にバスケットボールやサッカーのように、背や手足が成長し、たくさんの試合経験があった方が良いという競技もあります。

 

プロが出場できるスポーツは、アメリカをはじめとする欧米の国が強いですね。

 

サッカーは、出場年齢の制限で下の年齢だけでなく上の年齢も設けられています。

 

フィギュアスケートや体操は、まだ成長途中の子どもたちに無理を強いているのは、人道的にも、成長期の身体を作るためにも不適切ということで問題になりました。

 

それから、シニアの大会やオリンピックに出られるのは15歳以上となりました。

 

フィギュアスケートは、ただ出られる大会が違うだけでなく、試合で滑る構成にも制限があり、男子では4回転以上、女子では3回転半以上のジャンプで、跳んで良い年齢が制限されています。

 

一般的な男子の成長期は12歳~20歳、女子は10歳~18歳と言われます。

 

この時期は身長や体重が増えるのと同時に、内臓や骨・筋肉が作られています。

 

肝臓は20歳を目安に出来上がりますので、買い薬は15歳までを子ども用、総合診療の病院では18歳までを小児科、18歳以上を内科と決めています。

 

筋肉や骨も10代は人生2回目の成長期となります。

 

16歳以下の子どもは、大人と違い「軟骨」が多く、徐々に化骨することで大人の身体になります。

 

この年齢の子どもたちに難度が高い無理なジャンプをさせることで、大怪我をするだけでなく、選手生命を奪うような後遺症を残すこともあります。

 

この年齢は膝の関節や筋肉が発達途中ということになります。

 

そこでジュニアでは、どれほど軽やかにジャンプが跳べても、試合で高難度のジャンプを跳ぶことができません。

 

ジュニアでは男子は3回転半、女子は3回転までとなっています。

フィギュアスケートのシニア出場資格年齢の制限を厳しくすべきという議論

フィギュアスケートの世界では、再三シニアの大会に出られる年齢の制限についての話合いが行われています。

 

政治的な駆け引きは別として、フィギュアスケートは今、10代の女子選手がピークとなるような事態となっています。

 

ロシアはそれが顕著で、平昌オリンピックの金メダリストの16歳のザギトワが、17歳ですでにトップの座を奪われるということが起こっています。

 

13歳のロシア選手アレクサンドラ・トゥルソワは世界ジュニアで、シニアのメダリストたちの世界選手権のスコアよりも上のスコアを出すということになっています。

 

日本でも、ジュニアのころからミスパーフェクトと呼ばれていた宮原知子が、20歳という本来のピークの年齢でありながら、10代の坂本花織に全日本の女王を、グランプリシリーズの女王を紀平梨花に奪われるということになっています。

 

あまりにも新旧の交代の早さに、女子の世界では、羽生結弦のように、オリンピック連続金メダリストが育ちにくい環境となっています。

 

フィギュアスケートの皇帝と呼ばれたロシアのエフゲニー・プルシェンコ選手は、シニアの出場資格を17歳以上、できれば18歳以上に上げるべきと提言しています。

彼自身15歳で世界選手権に初出場をしています。

 

皇帝と呼ばれることからもわかるように、数度にわたる故障と戦いながらも、3回のオリンピック出場を果たすという、息の長い選手として活躍しました。

 

しかし、大勢の若いフィギュアスケート選手たちが、15歳をピークにそのあと姿を消す現状に疑問を感じています。選手として長く活躍をする選手が減っていることを非難しています。

 

10代の演技は20代の演技と違い「形」だけのものと非難をする人もいます。

 

フィギュアスケートは、ただ技を見せる競技だけではありません。

 

荒川静香が25歳でトリノオリンピックで優勝した時のような演技こそが、美しいフィギュアスケートだ、という意見もあります。

 

すでに、12歳、13歳の選手がシニアで活躍をしていた1970年代からおよそ40年で15歳にまでシニアの出場資格の年齢は引き上げられています。

 

人間の寿命が延びることで、人間の老化も遅くなっています。

 

それと同時に子どもたちの身体の成長も精神年齢の成長もゆっくりとなっています。

 

ここで、もう一度シニアの出場年齢の資格を見直す時期に来ていると感じる専門家もいるようです。

フィギュアスケートの年齢制限の理由まとめ

・フィギュアスケートは7月から新しいシーズンが始まるため、7月1日を区切りに出場できる年齢を制限しています。

 

・フィギュアスケートでは13歳までをノービス、13歳~18歳をジュニア、15歳以上をシニアとしています。

 

・ジュニアの選手は年齢だけでなく演技の構成内容も違います。特に大きな違いはジャンプの回転数で、成長途中の10代の選手が大怪我をすることを防いでします。

 

今、フィギュアスケートの内容がジャンプやアクロバティックなスピンの技の点数で優劣が付けられています。

 

しかし、本来の美しい演技をする長く活躍する選手を育てるためにも、シニアの年齢制限を上げようという意見が出ています。

 

これからのフィギュアスケート界がどうなるのか、選手だけでなく注目することはたくさんあるようです。

 

ちなみに、当記事以外のフィギュアスケート記事をまとめた記事は以下になります。

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