歯科衛生士

歯科衛生士はなぜ不足しているのか? その理由や原因とは!? 元歯科衛生士の視点から

投稿日:2018年11月19日 更新日:


医療系の国家資格の歯科衛生士が不足している事実は医療業界でも知られています。

なぜ、国家資格の歯科衛生士が不足に陥っているのか、元歯科衛生士の視点からお答えしたいと思います。

歯科衛生士が不足する理由その1: 歯科衛生士を必要としている職場が大量にある

歯科衛生士の多くは、歯科医院に勤めています。

歯科医院のほか、総合病院や大学病院、介護施設、福祉施設、市町村の保健センター、歯科衛生士養成所(専門学校や大学)、歯科関連の企業など、幅広く活躍ができるため就職には困ることはありません。

 

また、歯科医院の数は今ではコンビニエンスストアより多く存在していると言われているので、なおさら就職に困ることはないかと思います。

 

歯科診療を円滑に行うためには、1人の歯科医師に対して、歯科衛生士は2人以上が望ましいとされています。

 

しかし、実際には歯科衛生士が不足しているため、歯科医師が歯科衛生士の業務を行ったり、治療を歯科医師が1人で進めている歯科医院も多くあります。

 

私が以前勤めていた歯科医院では、診療ユニットが5つ設置されており、歯科医師は2人、正社員歯科衛生士は5人、パート歯科衛生士が2人、歯科助手1人でした。

 

正社員の歯科衛生士の人数はどう考えて足りない状態だったので、休憩時間もまとも1時間半取った覚えすらありません。

残業も多く、診療時間は19時まででしたが基本的にタイムカードを押すのは20時半過ぎで、遅い時は21時越えの時もありました。

 

歯科衛生士の不足は、歯科衛生士にとっても深刻な問題かと思います。

歯科衛生士が不足している理由2: 潜在歯科衛生士の存在とその増加

潜在歯科衛生士とは、歯科衛生士として仕事についていない歯科衛生士の資格保有者のことです。

 

潜在歯科衛生士の割合は全体の6割以上存在すると言われており、私もそのうちの1人です。

 

半分以上の歯科衛生士の資格保持者が潜在歯科衛生士になってしまっている中、年々と潜在歯科衛生士の人数は増加している傾向があります。

 

また、潜在歯科衛生士の中には、歯科衛生士からキャリアアップをしてケアマネージャー(介護支援専門員)に職種を変更している場合も考えられます。

 

私も個人的な人生プランの中で、超高齢化社会に向けて歯科衛生士から後にキャリアアップをする計画をひそかに立てていました。

 

なぜ潜在歯科衛生士が増加しているのでしょうか? 以下に理由を書き出してみます。

ライフイベントによる変化

歯科衛生士は女性が多い職業です。

そのため、結婚や出産、育児により勤務時間の短縮や退職や離職につながるケースがあります。

 

また、勤め先の歯科医院に歯科衛生士の人数が少ない場合は、結婚や出産が重なってしまうと歯科医院の運営ができない状態に陥ってしまいます。

 

結婚適齢期の歯科衛生士は焦りと不安、歯科医師からのプレッシャーを感じている人もいるそうです。

 

女性が働きにくい環境

私は歯科衛生士として働き、正社員でありながら結婚、出産、育児をしてきました。

 

しかし、私の職場環境はあまりにも出産や育児に対しての理解が低い歯科医院だったため、育児と歯科衛生士の両立はとても苦労しました。

 

子供の急な発熱や体調不良で遅刻も早退も多く、その度に、あからさまに不機嫌なスタッフや舌打ちするスタッフ、無視するスタッフに頭を下げて謝罪してきました。

 

男性ならまだしも、同じ立場にいずれ立つ女性が出産や育児に対して理解が低いのは正直とても残念な環境です。

 

よっぽど理解のある歯科医師や歯科衛生士がいない限り、歯科衛生士を続けながら出産や育児をしていくことは、難しいことかと思います。

 

勤務時間や休診日

例え、保育所などの施設に子供を預けることができたとしても、基本的には保育時間を延長したとしても夕方までの保育です。

 

また、土日に保育施設が休みの場合もあるため、勤務時間の短縮や勤務日数の削減を行わなくてはいけません。

 

勤務時間や休みが柔軟に対応することができればいいのですが、歯科衛生士が不足しているが故に困難な場合が多いです。

保育園の不足と待機児童の増加

保育園の不足や待機児童の増加が問題となっています。

歯科衛生士に限らず、子供を保育所や学童保育などの施設に預けて仕事をすることは簡単なことではありません。

 

産休(産前産後休暇)や育休(育児休暇)を取得することができても、実際に預けることができず、やむ得ず退職という形を取る人もいます。

歯科衛生士が不足する理由や原因まとめ

歯科衛生士の就職先

  • 一般的には歯科医院が多い。
  • 歯科医院のほか幅広く活躍ができる。

歯科衛生士の理想的な人数と現実

  • 1人の歯科医師に対して、歯科衛生士は2人以上が望ましい。
  • 実際には、歯科衛生士が不足しているため、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手の負担が大きい。
  • 歯科衛生士の不足は深刻な問題になってきている。

潜在歯科衛生士の存在

  • 潜在歯科衛生士とは、歯科衛生士として仕事についていない歯科衛生士の資格保有者のこと。
  • 潜在歯科衛生士の割合は全体の6割以上存在する。
  • 潜在歯科衛生士の人数は年々増加している。
  • 歯科衛生士からキャリアアップをしてケアマネージャー(介護支援専門員)に職種を変更している場合もある。

潜在歯科衛生士が増加する理由

ライフイベントによる変化

  • 歯科衛生士は女性が多い職業。
  • 女性は、結婚や出産、育児により勤務時間の短縮や離職につながる。

女性が働きにくい環境

  • 女性がメインの職場でありながら、出産や育児に対して理解が低い環境。
  • 出産や育児に理解のある歯科医師、歯科衛生士がいない限り難しい。

勤務時間や休診日

  • 保育施設との兼ね合いで、勤務時間の短縮や勤務日数の削減がつきもの。
  • 歯科衛生士が不足が故に勤務時間や休みが柔軟に対応することが困難。

保育園の不足と待機児童の増加

  • 保育園の不足や待機児童の増加しているため、働きたくても働けない環境になってしまっている。
  • 産休(産前産後休暇)や育休(育児休暇)を取得することができても、預けることができず退職する人もいる。

 

上記のことから、歯科衛生士の不足や潜在歯科衛生士の増加には、いろいろな社会的問題が影響を及ぼしているのではないかと思います。

 

男性歯科衛生士の人数が年々増加しているとはいえ、歯科衛生士の現在の状況は女性社会です。

 

歯科衛生士の求人を見ていると、専用の託児所が完備されている歯科医院も見受けられるようになりました。

 

女性が働きやすい環境を作ることは、とても難しいことかもしれません。

 

しかし、少しずつでも、現役歯科衛生士が長く働ける環境づくり、潜在歯科衛生士が復帰できる環境づくりが大切かと思います。

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