歯科衛生士が妊娠したら, 報告はいつする? 仕事はいつまで続ける? 妊娠で退職した元歯科衛生士が解説します!
投稿日:2018年11月29日 更新日:
歯科衛生士が妊娠した場合、仕事はいつまで働くことができるのか、どのように働くことが良いのか、妊娠中の制度、産前産後の制度、育児中の制度を含めて2児の母で元歯科衛生士が経験を含めてお話します。
歯科衛生士は妊娠したらいつまで仕事を続ける?
妊娠中の体調や赤ちゃんの状態にもよるので一概には言えないところです。
妊娠がわかった時点で退職する場合や、職場が定める退職の規定の日までの場合、産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)を取得できるようになる期間までの場合や、臨月まで働く場合もあります。
ただ、悪阻も問題もなくマタニティライフを過ごす人もいれば、そうではない人もいます。何が起きるかわからないのか妊娠、出産です。
なかには、悪阻などで体調が優れないため退職予定日より早く退職する歯科衛生士もいます。
いつまで歯科衛生士の仕事を続けるかは勤め先にもよるかと思いますが、退職する場合と産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)を取る場合など状況によりさまざまです。
産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)の制度が活用することが可能であれば、産前産後休暇(産休)の取得が可能な日まで仕事を続けることが望ましいと言われています。
産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)を活用する場合、仕事に復帰した時に慣れた職場で仕事がスムーズに進められ、職場での育児への理解も得やすいとされています。
しかし、実際に歯科医院では、歯科衛生士の産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)の取得は難しく、退職をせざる得なくなることがほとんどです。
私も妊娠がわかった時に、歯科医院の院長と何度も話し合いを重ね、退職という形を取り、後に復帰という扱いにされました。
女性が多い職場でありながら、残念ながら女性の働きやすい職場ではありません。
歯科衛生士が妊娠したら勤め先へ報告しよう!
始めに行うことは、勤め先の歯科医院の院長への報告です。
妊娠の報告はとても伝えにくい内容かと思いますが、院長としての人間性や器量を試されるところかと思います。
早い段階で伝えることが可能であれば、スタッフからの協力を得ることができ、業務の内容や出勤の時間、業務の時間を変更するなど、体への負担を軽減することが可能な場合があります。
また、早い段階で伝えることによって、求人の募集や引き継ぎもスムーズに住むことが可能な場合もあります。
妊娠の報告は本当に勇気がいりますが、自身の体や赤ちゃんのためにも頑張って伝えてください。
私が勤めていた歯科医院は本当に最悪な歯科医院だったので、院長に妊娠の報告をした時は本気で怒られました。
結婚もまだしていないのに、順番が逆だから不潔だと言われ、避妊の仕方や避妊した場合の妊娠の確率まで説明を受け、裏切り者扱いをされました。
もちろん、スタッフからの理解もなく、体への負担の軽減などさせてはもらえませんでした。
悪阻や貧血がひどくて体調が例え悪くても休むことすら許されず、何が起きても出勤しなさいと言われた日には、明日から出勤するのやめますと言いたくなりました。
妊娠や出産をきっかけに、職場で精神的や肉体的な嫌がらせ、解雇などのマタニティハラスメント(マタハラ)で悩んでいる女性は歯科衛生士に限らず本当に多いです。
私は体の負担より、心の負担が多かったため、予定より早く退職しました。
マタニティハラスメント(マタハラ)の防止措置が義務づけられていても、何の役にも立っていない現在の状況かと思います。
歯科衛生士向け! 妊娠中の注意点
体に無理は禁物ですが、特に注意することは、感染です。
もしも妊娠中に感染してしまった場合、抗生物質などのお薬を服用することが難しいため、特に注意が必要です。
歯科衛生士の場合、感染への対策は普段から気を付けていることかと思いますが、普段の感染への対策に追加して、手洗いやうがいの頻度を多くするなどの対策はした方が良いかもしれません。
私は、手洗いやうがいに追加して、妊娠中でも使用できる喉の殺菌や消毒を目的とした市販の喉スプレーを使用していました。
また、放射線が気になるレントゲン室周辺でも作業も問題はありません。
私たちは普段の生活の中でも、太陽により自然放射線を浴びています。
歯科で主に使われている歯科用CT、パノラマレントゲン、デンタルレントゲンは自然放射線より放射線量は少ないです。
赤ちゃんへの放射線の影響が気になる気持ちはわかりますが、心配がストレスにつながってしまう恐れもありますので、安心してください。
歯科衛生士が妊娠中に利用できる制度
今から説明する制度は、男女雇用機会均等法で事業主に義務づけられている制度です。
これらの制度の措置は職場の規則などに記載されていなくても義務付けられている制度なので利用できますが、実際には認めてくれない場合も多いです。
健康診断を受けるための時間の確保の制度
妊娠中は、定期的に健康診査などを受けなくてはなりません。
勤務時間の中で健康診査などを受けるための時間が必要な場合、勤め先に申請し、時間の確保が可能になります。
また、有給扱いになるのか、無休扱いになるのかは勤め先によります。
母性健康管理指導事項連絡カード
産婦人科の主治医から、業務内容の制限や出勤の時間、業務の時間の変更、休憩時間の延長や休憩の回数、休業などの指導内容を勤め先に申し出て措置を求めることができるものです。
私の場合、あまりにもマタニティハラスメント(マタハラ)が深刻化していたので産婦人科の主治医が連絡カードで対応してくれましたが、無意味に終わりました。
歯科衛生士でも利用できる産前産後の制度
産前産後休暇(産休)
出産を控えた女性の労働者、出産後の女性の労働者は、事業主に申請すれば、休業措置を受けることができます。
産前休暇は、出産の予定日の6週間前(双子以上の場合のみ14週間前)から申請し、パート社員、派遣社員、契約社員などでも取得ができます。
産休に入る場合は、勤め先が社会保険料の免除手続きと出産手当金の申請手続きを行う必要があります。
ただし、歯科医師国民健康保険に加入している場合、保険料の免除は行うことができないため、注意してください。
また、出産手当金の支給は平成30年4月より支給ができるようになりましたが、歯科医師国民健康保険に加入してから1年連続経過をした翌月からという条件が付いています。
産後休暇は、出産した翌日から8週間は強制的な休業のため働くことができません。
ただし、産後6週間を経過した後に、請求し産婦人科の主治医が認めた場合のみ、仕事に復帰できます。
母性健康管理措置
産後1年を経過しない女性は、主治医から指示や指導を受けた際に、健康診査に必要な時間の確保を申し出ることができる措置です。
育児時間の請求措置
生後1年に達しない子を育てる女性は、1日2回30分間から育児時間を請求する措置です。
時間外労働の制限措置
休日労働の制限措置
深夜業の制限措置
変形労働時間の制限措置
危険有害業務の制限措置
産後1年を経過しない女性は、妊娠中と同様に、措置を受けることができます。
歯科衛生士でも利用できる育児中の制度
育児休業(育休)
育児休業とは、子が1歳(最長2歳)に達するまで、申出により育児休業の取得ができます。
父母ともに育児休業の取る場合、子が1歳2カ月に達するまで、申し出により育児休業の取得ができます。
育児のための短時間勤務
所定外労働(残業)の免除
時間外労働の制限
深夜業の制限
子の看護休暇
3歳に満たない子を養育する労働者に対して受けられる措置です。
歯科衛生士が妊娠したらいつまで仕事を続けることができる?まとめ
いつまで仕事を続けることができる?
- 妊娠中の体調や赤ちゃんの状態にもよるので一概には言えない。
- 悪阻などで体調が優れないため退職予定日より早く退職する歯科衛生士もいる。
- 産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)の制度が活用することが可能であれば、産前産後休暇(産休)の取得が可能な日まで仕事を続けることが望ましい。
- 産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)を活用する場合、仕事に復帰した時に慣れた職場で仕事がスムーズに進められ、職場での育児への理解も得やすいメリットがある。
- 実際に歯科医院では、歯科衛生士の産前産後休暇(産休)や育児休業(育休)の取得は難しく退職する場合も多い。
- 職場によっては、妊婦が働きやすい職場ではない。
勤め先へ妊娠の報告
- 勤め先の歯科医院の院長への報告は早めに行う。
- 早い段階で伝えることが可能であれば、スタッフからの協力を得ることができ、体への負担を軽減する措置を受けることができる。
- 早い段階で伝えることによって、求人の募集、引き継ぎも比較的にスムーズに行いやすい。
妊娠中に対する注意点
- 妊娠中は薬を服用することが難しいため、感染には特に注意を払う必要がある。
- 普段の感染への対策に追加して、手洗いやうがいの頻度を多くするなどの対策を行う。
- 妊娠中でも使用できる喉の殺菌や消毒を目的とした市販の喉スプレーも簡単で便利。
- 放射線が気になるレントゲン室周辺でも作業も問題はない。
- 心配がストレスにつながってしまう恐れもありますので、ストレスにならないよう気を付けてる。
妊娠中の制度
- 男女雇用機会均等法で事業主に義務づけられている制度。
- 勤め先の規則などに記載されていなくても義務付けられている制度なので利用はできる。
- 実際には、認めてくれない場合も多い。
- 健康診断を受けるための時間の確保の制度
- 母性健康管理指導事項連絡カード
産前産後の制度
- 産前産後休暇(産休)
- 母性健康管理措置
- 育児時間
- 時間外労働
- 休日労働
- 深夜業の制限
- 変形労働時間の制限
- 危険有害業務の制限
育児中の制度
- 育児休業
- 育児のための短時間勤務
- 所定外労働(残業)の免除
- 時間外労働
- 深夜業の制限
- 子の看護休暇
妊娠中の働くママや育児中の働くママには、受けることができる措置が多いですが、義務づけていても、実際には難しいことが多いかとおもいます。
私はマタニティハラスメント(マタハラ)で切迫流産しかけて入院しましたが、それでも文句の連絡がスタッフから入ってきたので…。
出産や子育てに理解あるスタッフや理解のない心無いスタッフもいます。
何よりも、カラダを1番大切に無理なく働いていただきたいと思います。
執筆者:woodbat
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