電車がゆれるのはなぜ? 車体や線路の構造など徹底解説!
投稿日:2019年7月26日 更新日:
電車に乗っていると、ガクンとゆれたり、ゆらゆらゆれたり…。
いろいろなゆれ方をしている気がしませんか?
実は、電車がゆれる原因は、ひとつだけじゃないんです。
その原因は、車体であったり線路であったり、さらには運転手さんのスキルによることも。
そこで、電車がゆれるのはなぜ?その原因を徹底解説します!
電車がゆれるのはなぜ?:基本的な原因は3つ
1.たてにゆれる(ピッチング)
たてゆれは、線路の状態によるもの。
線路は、一見するとまっすぐ走っているように見えます。
しかし、線路がある環境や列車の負荷によりわずかながらも変形。
何かと小さな歪みがあり、電車がゆれる原因となります。
2.よこにゆれる(ローリング)
もうひとつが、電車が左右にゆれる現象。
原因は、多くの場合、たてゆれと同じく、線路の劣化です。
そのほか、線路が分かれる所やレールのつなぎ目でも、よこゆれが生じます。
3.ヨーイングでゆれる
電車がうねうねとゆれるのがヨーイングです。
これは、へびの「うねうね」のイメージです。
原因は、線路の劣化にくわえ、車輪がついている台車によるもの。
台車の構造上、ヨーイングを避けることはできません。
電車がゆれるのはなぜ?:運転手のスキル
1.ブレーキのタイミングでゆれる
ホームに近づき、運転手さんがブレーキをかけたときも電車はゆれます。
技術がある運転手さんであれば、衝動のタイミングを巧みにずらすことが可能。
また、線路の曲線を通過する速度を、うまく調整することもします。
しかし、その塩梅が上手でない運転手さんも。
その場合、ブレーキのタイミングで電車はゆれるのです。
2.コンピューター制御が原因のことも
さいきん増えているのがコンピューターによる自動運転。
自動運転と聞くと、ゆれることが少なくなるイメージです。
しかし、逆に乗り心地がわるくなることがあるそうです。
電車は、運転手さんの技術により、ゆれを少なくしている一面が。
コンピューターによる自動運転は、臨機応変な対応はできません。
そのつど判断することがないので、かえってゆれることがあるんです。
電車がゆれるのはなぜ?:車体の問題
1.車体が古くてゆれる
当たり前のことですが、すべての電車が最新式というわけではありません。
なかには、車体そのものが古い電車があります。
最新式の電車は、ゆれを吸収するように設計。
そのため、電車が動き出したことに気が付かないほど静かなこともあります。
しかし、とくに地方の路線になると、電車そのものが「おさがり」の確率がアップ。
そのためゆれる電車であることが必然的に増えてきます。
2.車輪が古いのでゆれる
車体はそれほど古くなくても、車輪が劣化していると電車はゆれます。
電車の車輪は、使えば使うほど小さなゆがみが生じます。
それを検査のときのメンテナンスで研磨。
検査にはいる前の車輪はゆがんでいる傾向があり、それによりゆれるというわけです。
電車がゆれるのはなぜ?:線路の構造の問題
1.分岐器を通るときにゆれる
線路の分岐器(ジャンクション)の通過も、電車がゆれるタイミング。
電車の離発着時にガクンとゆれるのは、多くの場合、分岐器が原因です。
分岐器を通過するときは、ゆれることを想定し、速度制限がもうけられています。
しかし、運転手さんの技術が低いとき、電車が遅れているときなどは、速度制限ぎりぎりに。
そうなると、電車は分岐器を通過したときのショックで、ガクンとゆれるのです。
2.レールのゆがみが原因であることも
電車が走るレールの材料は鉄。
鉄は、気温のあがりさがりにより、膨張と伸縮をくりかえします。
膨張したときに、わずかではありますがレールが変形。
それが、電車がゆれる原因となることがあります。
レールは13mm以内の磨耗が確認されたときに交換することが鉄則。
その周期は、だいたい15年から25年のあいだとのこと。
そのため、新品と交換直前のレールの場合、電車のゆれの度合いが違うそうです。
3.ロングレールが使えない場合もゆれる
レールの継ぎ目により電車がゆれることを解消するのがロングレール。
メーカーから出荷された時点で、レールの長さは25mと50mの2種類。
それを現場で溶接してより長いレールにします。
溶接により200mを越えたものがロングレール。
ロングレールであると、継ぎ目が少なくなるので、電車のゆれは少なくなります。
しかし、ロングレールは、寒暖差でゆがみやすいというデメリットが。
高台のうえを走る、海や川の近くを走る路線は、寒暖差が出やすくなります。
そのためロングレールを採用できないことが多く、電車はゆれる傾向があります。
まとめ
・電車がゆれる原因は「たて揺れ」「よこ揺れ」「ヨーイング」の3種類がある。
・運転手のスキルが低いときや、コンピューターの自動運転で調整がない場合、電車はゆれることが増える。
・車体そのものが古くてゆれを吸収しない、車輪が劣化してゆがんでいることで、電車がゆれることがある。
・線路にある分岐器を通過するときや、線路にゆがみが生じていると、電車はゆれやすい。
電車がゆれる原因をさぐっていくと、鉄オタに一歩近づけそうな気持ちになれますね。
執筆者:woodbat
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