雑学

ブルガリアの漢字表記は? 意味、語源や由来ってどんなものがあるの?

投稿日:2019年4月22日 更新日:

ヨーグルトのイメージがとても強いブルガリアですが、国名を漢字表記できるということを知っていましたか?

 

漢字表記に込められた意味、語源や由来はいったいどんなものがあるのでしょうか?

ブルガリアを漢字で書くと?意味や語源ってあるの?

まず、英語での表記はRepublic of Bulgariaで、日本語ではブルガリア共和国と表記するのが正式名です。

 

ここからブルガリアだけを取り、通称でブルガリアと呼んでいます。

 

音的に漢字での表記ができそうにないように感じますが「勃牙利」という漢字表記があります。略称は「勃」です。

 

この漢字表記ですが、まず読むことができません。

 

そして、字面も非常によくありません。なんとなく、使いにくいイメージのある漢字です。

 

なぜ、このような漢字表記になってしまったのでしょうか?

 

そもそも、国名を漢字で表記することは中国の文化であり、日本はその影響を強く受けたことが始まりです。

 

全ての文章を漢字で書くことは現代の中国でも当たり前のことですが、昔から変わらぬ中国の言語文化でもあります。

 

日本は遣唐使を派遣していた時代から海外についての情報を中国から得ることが多く、地名や国名はすべて漢字表記にしてきました。

 

この漢字表記は仮名文字が普及してきた明治時代まで定着し、続けられたといわれています。

 

ブルガリアの「勃牙利」も中国語の影響を大きく受けた漢字表記だと考えらます。

 

中国語では「勃」は「盛んである、奮い立つ」という意味があり、「牙」は「鋭い」「利」には「テキパキとしている、敏捷である」という意味があります。

 

当時のブルガリアを訪れた人々のイメージを漢字に当てはめたのではないでしょうか?

 

ブルガリアの人たちは好戦的だという意見もあるくらいですので、あながちな考えかもしれません。

 

また、ブルガリアという国名はブルガール人に由来していると考えられています。

 

「ブルガール」の音訳当て字で「勃牙利」という漢字になったのかもしれません。

 

そう考えるとちょっとばかり読めそうな気がしてきます。

 

「勃牙利」という表記そのものをまとめて「ブルガリア」と読むようです。フリガナをふらないと読めないようなキラキラネームのようなところもあり、笑ってしまいます。

ブルガリアの国名の由来とは?

トラキア、モエシア、マケドニアなどの古くからの地方で構成され、国土の3分の1を山岳地帯が占めているブルガリアですが、ブルガール人という民族が国名の由来になっています。

 

ブルガール人とは現在のロシアにあるカザンという地域に居住していた部族に属するといわれています。

 

カザン地域から西へ移動し、ビザンツ帝国の影響を強く受けた部族グループがおり、そのまま定住していったことがブルガリアという国の始まりだと考えられています。

 

同じブルガール人でも移動せずにイスラム化したグループもいたそうですが、後にモンゴル軍に滅ぼされてしまいます。

 

移動するか、しないかというそれだけのことでこんなにも違う運命をたどることになってしまうとは信じがたいものです。

 

まさに、運命の決断という表現がぴったりな気がします。

 

ブルガールという言葉には「ポルガ下流域から来た人」という意味もあります。

 

「ポルガ」とは「大河」という意味らしいですが、ブルガール人は大河沿いに移動してきたのかもしれません。

 

地名や言葉の由来からいろいろな歴史をひも解くことができるとわくわくしてしまいます。物事の裏にある歴史とは本当に興味深いものです。

ブルガリアと言ったら…? ヨーグルトにまつわる雑学

ブルガリアと聞くと、やっぱり「ヨーグルト」と連想しまうのはわたしだけではないように思います。

 

それほど、日本人にすっかり馴染んでしまった「ブルガリアヨーグルト」を商品開発した明治乳業の力は偉大だと感じています。

 

日本人が誤解しがちなことですが、ヨーグルトの発祥はブルガリアの隣国、トルコです。

 

偶然の産物としてヨーグルトは誕生したのですが、それが伝わったブルガリアでヨーグルトに欠かせない乳酸菌の新種を発見したのがブルガリア人で、その菌をブルガリア菌と名付けたことがブルガリアヨーグルトの始まりです。

 

身体に良く、味もよくなるとされるサーモフィラス菌とブルガリア菌との組み合わせは画期的なもので、当時の明治乳業の開発者がブルガリア政府との交渉で手に入れた乳酸菌でつくられたヨーグルトが「明治ブルガリアヨーグルト」です。

 

日本でのヨーグルトの定番は「ブルガリアヨーグルト」ですが、ブルガリアで食べるヨーグルトも同じ味がするとのことで、親近感がわいてきます。

 

ヨーグルト消費国世界1位のブルガリアですが、バラの谷と呼ばれる渓谷があり、各地にバラ畑も点在しており一大生産地となっています。

 

中でもバラ油の生産は世界一で香料としてフランスに輸出されています。

 

また、日本とは違い「はい」の意味で首を横に振り、「いいえ」の意味でうなずくという文化も有名です。

まとめ

・ブルガリアを漢字表記すると「勃牙利」となり、略称は「勃」である。中国語の音訳当て字からきていると考えられるが、読みにくさ、字面ともに非常に使いにくい漢字表記である。

 

・ロシアのカザン地域から移住してきたとされるブルガール人がブルガリアという国名の由来となっている。

 

・ブルガリアといえばヨーグルトだが、ヨーグルトの発祥地はトルコであり、日本で馴染の深い「明治ブルガリアヨーグルト」に使われているブルガリア菌という乳酸菌の発見者がブルガリア人である。輸出産物はバラ、バラ油がトップである。

 

ブルガリア、漢字表記といい、ヨーグルトといい非常におもしろい国なように感じています。

 

「勃牙利」という漢字表記を使うことはまずなさそうですが、頭の片隅に入れておくだけでも楽しい知識ではないでしょうか。

 

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