歯磨き 雑学

虫歯の由来や語源はなに? 歯科治療と口腔ケアの歴史について

投稿日:2019年4月21日 更新日:

むし歯という言葉は物心つく頃から誰でも知っている言葉です。

 

しかし、何故むし歯と呼ぶのか、いつからむし歯と呼ばれているのか不思議に思ったことはありませんか?

 

むし歯と呼ばれている由来や言葉の意味についてさまざまな由来があります。

 

虫歯の由来から、虫歯はいつから存在するのか、治療はどのように行っていたのか、ブラシや歯みがき粉はいつからあるのか元歯科衛生士が説明します。

虫歯の語源・由来

虫歯とは、口のなかに存在する虫歯菌(ミュータンス菌)が原因で起こる歯を溶かす病気です。

 

虫歯という言葉の由来はさまざまな説があり、はっきりとした由来はありませんが下記に紹介していきます。

 

病気=虫

昔から日本人はカラダに起こるさまざまな病気の原因が”虫”であると考えていたため虫が原因で起きる歯の病気だから、虫歯と呼んだと言われています。

 

また、虫が原因と考えていたため。虫が葉を食べるように、歯に穴が空くから、虫食いに喰われたように歯がボロボロになるから、”虫歯”と呼んだとも言われています。

 

虫歯で出来た小さな穴は少しずつ大きくなっていき虫歯を進行していきます。

 

虫に歯を食べられたという説明は小さな子供にも伝わりやすくイメージしやすいため”虫歯”という言葉は歯科医師や歯科衛生士も歯科指導を行う際によく使うので馴染みがあるかと思います。

 

あるドラマでは、虫食いの歯を語呂合わせで数字に置き換えて”64918(むしくいは)”と書き、すべて数字を1つずつ足していくと”6+4+9+1+8=28”になり、ヒトの歯は親知らずを除いて28本あるから、”虫食いの歯=虫歯”と呼ぶと説明していました。

 

歯をむしばむ病気

少しずつ歯をむしばんで侵していく病気だから、”蝕む(むしばむ)”という言葉から”むし歯”と呼んだとも言われています。

 

”蝕む”という言葉は”蝕まれた歯”から”蝕歯(うし)”という虫歯をあらわす別の呼び方にもつながります。

 

“蝕歯(うし)”という言葉は、”虫歯”という言葉と比べるとあまり主流ではないため使われることが少ないかと思います。

虫歯はいつからあるの?

200万年以上前(旧石器時代)から虫歯や歯周病の存在はあり、縄文人の生活から虫歯の発生率は増えて現在にいたります。

 

現在では虫歯や歯周病の治療行うことができますが、治療という行為は行っておらず、宗教や装飾として歯を削ったり抜くという行為は行われていたそうです。

 

もちろん、麻酔などというものが存在しないため何人かで押さえつけて歯を削ったり抜歯したりしていたので、今では考えられない想像以上の痛みと恐怖を伴っていたと思います。

 

日本の歯科治療の原点は平安時代から始まりましたが、朝廷のみで行われており、主な歯の清掃方法は、うがいのみでした。

 

モノを使用して歯を掃除する行為は鎌倉時代から始まり、楊子を使用していたそうです。

 

また、歯科治療は抜歯屋や入歯屋があり庶民の間でも行われ、抜歯を主に行っていました。

 

安土桃山時代に仏像彫刻家が入れ歯を作り、後に入れ歯を作る専門の職業として活躍していたそうです。

 

今では、よっぽど重度の虫歯や歯周病ではない限り抜歯をすることはありませんが、昔は歯科治療は抜歯以外の治療法がなかったので虫歯は恐ろしい病という認識がされていたようです。

歯ブラシはいつから誕生したの?

歯をみがくという習慣は、もともとインドから始まり日本では江戸時代に伝わりました。

 

日本で初めて歯ブラシが発売されたのは1872年(明治5年)の鯨楊子という歯ブラシで楊子のような形状をしており、当時は歯楊子(はようじ)と呼ばれていました。

 

そして、1890年に本格的に歯ブラシが生産が始まり、ブラシ部分は馬の毛や豚の毛など動物の毛を使用して作られていました。

 

1913年(大正2年)に有名なLIONから発売された萬歳歯刷子(ばんざいはぶらし)からで、1951年には、ブラシ部分がナイロンになり大量に出回ったそうです。

 

今、当たり前のように使われている歯ブラシには人類の5,000年もの歴史を経てたどり着いた技術だと思うと、本当に凄いことかと思います。

歯みがき粉はいつからあるの?

歯みがき粉がなかった時代は塩を使って歯みがきを行っていましたが、江戸時代からは”大名香薬砂(だいみょうこうくすりずな)”という房州砂(ぼうしゅうすな)と呼ばれる粘土の細かな粒に香料を混ぜたもの使っていました。

 

明治時代には、砂から無機粉体を原料とする歯みがき粉へと形を変え、1896年(明治29年)にLIONから粉状の”獅子印ライオン歯磨(ししじるしらいおんはみがき)”が発売されました、

 

その後、1911年(明治44年)に今の歯みがき粉のようなペースト状のチューブ入りの歯みがき粉がLIONから発売され、今使われている歯みがき粉へと進化を遂げました。

 

今使われているペースト状の歯みがき粉に”粉”という文字が含まれているのは、粉末の歯みがき粉から始まった昔の名残が残っているからなのかもしれませんね。

まとめ

カラダに起こるさまざまな病気の原因が”虫”であると考えていたため虫が原因で起きる歯の病気と認識されていた。

  • 歯科治療は抜歯が主に行われていた。
  • 抜歯屋や入歯屋が存在した。
  • 歯ブラシの原点は楊子から始まり、歯みがき粉原点は塩から始まった。

 

当たり前のように使っている歯ブラシや歯みがき粉には深い歴史があり、虫歯や歯周病は昔から人々を悩ませる病気でもありました。

 

歯科医院で勤めていた時、年配の患者さんに今は抜歯をしなくても歯や神経を残せる治療が受けられると感動している人も少なくはありません。

 

歯を残せること、自分の歯で噛めることは本当に生きていくうえでかけがえのない大切なことです。

 

自信の歯を大切にこれからもしっかりと口腔ケアを行うように心がけてみてくださいね。

 

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