ニュージーランド 生活

ニュージーランドの医療レベルは日本と比べてどうなの? 医療制度と合わせて現地在住者が解説します!

投稿日:2019年3月28日 更新日:

ニュージーランドに滞在中に病気になったら…病院ってなんだか不安、そもそも医療レベルってどうなの?と考えだしたら落ち着かなくなってしまいそうです。

 

そういった不安を感じたことがある人はたくさんいるでしょうし、非常に理解できます。

 

ニュージーランドの医療システムや医療レベルは日本とはどのように違うのでしょうか?

ニュージーランドの医療制度

日本では風邪をひいたら内科へ、火傷したら皮膚科へのように自覚できる症状に応じて受診する専門科を選びますが、ニュージーランドの医療制度は全く違うシステムをとっています。

 

ニュージーランドはGeneral Practitioner 、通称GPと呼ばれるホームドクター制度を取り入れています。

 

緊急の場合を除くどんな病気でも内科、外科、小児科、婦人科、眼科、耳鼻科などすべての診察をまずはGPで受けます。

 

極端な例かもしれませんが、インフルエンザになっても、食中毒になっても、小さい子供が高熱を出してもまずは、このGPを受診します。

 

GPのことを「一般開業医」とも呼ぶこともありますが、このGPが所属している数や受付時間によって診察までにかかる時間もまちまちです。

 

GPの待合室には老若男女、さまざまな症状の人がいます。

 

一般的には24時間から48時間前からの予約で、病気になった、体調がおかしいからといってすぐに医師に診察してもらえるわけではありません。

 

GPでの診察で、さらに専門的な検査が必要だと診断されると紹介状が出され、専門医への予約を取ることができます。

 

GPは登録制ですが、登録しなければいけないという事ではありません。

 

また、いつでも別のGPに変更することができます。登録すると処方箋や診察料が安くなるといったメリットがあるので、登録する人がほとんどです。

 

緊急時の場合は救急車を呼ぶのが日本人の常識ですが、ニュージーランドでは救急車は有料です。

 

ニュージーランド人や同様のビザ保持者で100ドル近く、それ以外は800ドルとかなり高額になります。

 

家族や友人に頼れるときはAccident and Emergency Service(事故、急患サービス)に直接連れて行ってもらうのがいいかもしれませんが、待ち時間は非常に長いです。

 

また、日本と大きく違う点としてはACCサービスという社会保障制度です。

 

これはニュージーランド国内で起きた事故や怪我などへの損害補償制度で、補償対象もニュージーランド人だけでなく、永住権保持者、長期滞在者、海外からの旅行者までと幅広いのが特徴です。

ニュージーランドの医療レベルは?

ニュージーランドの医療技術は世界基準のレベルだと言われています。臓器移植や心臓の手術を経験したことがあるという人にも会ったことがあります。

 

しかし、正直なところ技術はあるのかもしれませんが一般的に受ける医療のレベルやサービスは日本には敵わないように感じています。

 

「大病をしたら死ぬまでにドクターに会えればラッキーだ」と揶揄されることもあるように、専門医のいる総合病院での予約の取りづらさは深刻な問題でもあります。

 

患者が深刻な状況であっても総合病院の予約がとれず、医師との問診の予約でさえ3か月以上待ち、その間に症状が悪化してしまう、緊急で総合病院の急患サービスに行くが検査はしてもらえず、とりあえずGPへ行くように指示され、翌日死亡するといったニュースはたびたび流れます。

 

ニュージーランドには専門医のいる総合病院が公立と私立と2種類あります。

 

ニュージーランドの医療費は高額で、とくに専門医を受診する、検査する、手術するとなると料金はどんどん高額になります。

 

公立の総合病院では専門医を受診するのも検査もニュージーランド人や同様のビザ保持者は無料です。

しかし、公立病院での予約を取るのは困難なために悲しい結果につながることもあります。

 

私立の病院でも時間がかかりますが、予約は取れます。

 

ただ、ビザに関係なく全額実費となる高額な医療費から嫌厭されがちです。

 

また、医療関係者の人手不足もニュージーランドでは深刻な問題となっていることも予約の取りづらさに関係しています。

 

ニュージーランドには日本の国民健康保険のような制度はないので、自分の身を守るためにも医療保険や海外旅行保険への加入は重要です。

実際の医療費ってどれくらい?

医療費が高額だと言っていますが、実際どれくらいなのか経験も交えて紹介してみます。

 

まず、何かあれば診察を受けるGPですが、1回の診察料は60ドルから100ドルくらいが相場です。その際、症状に応じて処方される薬も20ドルから50ドルかかります。

 

風邪程度は市販薬を飲んで、なんとか治すというこちらの人たちの考えはGPへの予約を取る労力、時間と診察料を考えると納得できます。

 

登録の済んでいないGPでの診察や土日、時間外にあたる診察は2、3割ほど割高になります。

 

ビザ申請のために必要な健康診断や血液検査、X線検査ももちろん事前予約が必要で、すべての検査に500ドルから600ドルは1人かかります。X線検査だけでも200ドルくらいです。

 

わたしは今まで専門医の受診を経験したことはないのですが、ひどい鼻炎に悩まされて専門医を紹介され、問診だけで300ドル近くかかったという友人の話を聞いたことがあります。

 

妊娠、出産にかかる費用も安くはありません。

 

ニュージーランド人や同様のビザ保持者は基本的な部分は無料ですが、そうでない場合は5000ドル以上、帝王切開の場合は8000ドル以上でさらに入院費がかかります。

 

マタ旅中という方にたまにお会いしますが、旅行保険で妊娠出産はカバーされないのに大丈夫なのかと他人事ながらドキドキしてしまいます。

まとめ

・ニュージーランドは日本と違い、GPと呼ばれるホームドクター制度を採用している。どんな病気でもGPに予約をいれ、診察してもらうことが第一段階である

 

・ニュージーランドの医療技術は世界基準だといわれているが、医療のレベル、サービスは日本には敵わないように感じている。深刻な人手不足問題もあり、専門医の診察や検査を受けるまでに時間がかかりすぎるのが何よりの問題である

 

・ニュージーランドでの医療費は日本では考えられないほど高額になる場合がある

 

海外生活は健康であることが何よりの条件とどこかで言われたことがありますが、本当にその通りだなと再認識しています。

 

万が一のための医療保険のありがたみも同時に認識しています。

お金で解決できることはお金に頼ってでも解決することも時には必要ではないでしょうか。

-ニュージーランド, 生活

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