雑学

漫画アシスタントあるある! 私の場合…なんとエスパーの訓練もしました!

投稿日:2018年12月16日 更新日:

昭和の時代の漫画アシスタントの経験からしか、お話しできませんが。

 

漫画家や、アシスタントに興味ある方に、何かの参考になりましたら嬉しいです。

 

最近の漫画は、パソコンで描かれる事も多いそうですが、私がアシスタントをしていた時代は、まだ家庭用のコンピューターさえ無い時代で、やっとワープロが出始めた頃でした。

 

そのワープロ(日本語タイプライターの事ですよ)さえ、外車1台位の値段だった頃の経験です。

漫画アシスタントあるある1: 絵をかくだけじゃない

私のところの先生は、そのワープロを資料用に買い、スタッフで使いこなすように、と渡されましたので、お仕事の一つに、最先端のワープロを使いこなす、というものも入っていました。

 

もちろん、それに入力するための、資料整理も膨大でした。

 

漫画家さんにも、ピンキリいらっしゃいますので、アシスタントさんも臨時の場合も多いと思います。

 

が、私の先生は、当時少女漫画界では大御所の先生でしたので、スタッフも会社制になっていて、連載の仕事が無い時でも、寮に住み込みで働かせていただいていました。

 

なので、連載の仕事が無い時には、これから書きたい漫画用の、歴史の年表や、その年代の生活様式雑学一切の本を読んだり、手書きの資料をワープロに打ち込んだり、面白い経験も沢山させてもらいました。

 

アトリエには膨大な量の資料がありましたが、すごい事に先生は、全部読み込んであったのですね。

 

漫画とは、誰が読むかわからないものなので、子供たちに嘘の知識をつけてはいけない、という事もありますが、専門家から間違いの指摘なども来るものなのです。

 

ですから、スタッフもある程度の知識が無いと、小物も背景も、服なども、うかつには書けないのです。

 

好きで描いていた時と、プロの仕事として「不特定多数の読み手がいる」時とでは、大きく違う点はまさにここでした。

 

そして、近所の寮とはいえ、住み込みの助手、ですから、漫画関係以外のお仕事もありました。

 

お庭の掃除、水撒き、草取り、敷地内のスモモや柿の収穫などもやりましたね。

 

食事を作ってくださるのは、先生の身内の方が専門にやってくださいましたが、普通はたいてい、「メシスタント」とも呼ばれる食事専門のスタッフがいたりする事もあるようです。

 

そしてたまには、取材に同行させてもらう事もありました。

漫画アシスタントあるある(?)2: エスパーの訓練

それと、変わったところでは、エスパーの訓練もしました。

 

ESPカードという図形のカードがあって、毎日それで透視の確率を計ったり、テレパシーの訓練をしたりもしましたね。

 

不思議に、訓練を続けていると、透視の確立が50%位にまで上がって、まぁそのカード限定ですが、驚いた事があります。

 

特に、昭和の時代だったからかもしれませんが、「先生の考えがすべて」なワケです。

 

「これをやってください」と言われた事を、例えそれが何だろうとも、やる、というスタイルでした。

漫画アシスタントあるある3: 漫画関係の仕事としては

連載が始まったり、読み切りの仕事が入り、実際に絵を描き始めたら、仕上がるまでは肉体労働です。

絵を描くところからしか、スタッフには手伝えないわけです。

ペン入れする前の「ネーム」というお話の部分、コマ割りの部分が出来上がらない事には、進められません。

 

それまでに出来る事は予想して、使いそうな小物や、背景に使いそうな花とか時間かかる点描などを書き溜めしておいて、実際の原稿に切り張りしたりもしました。

 

締め切りが近づけば、当然仕上がるまでは寝れません。

 

48時間、72時間連続はザラで、もちろん、その間に仮眠や軽食時間があったとしても、入浴する余裕はありませんから、数日~1週間ぶりのお風呂、なんて事もありました。

 

仕事が上った後に、寮に帰って寝るのですが、どうしてもお風呂には入りたい!

 

でも、現在のようにボタン1つでシャワーのお湯が出る時代ではなかったので、水を溜めてお風呂を沸かしている間に寝てしまい、お風呂を完全に沸騰させてしまったりした事も何度かありました。

 

結構過酷な、体力勝負な仕事なので、当時は私も太れなかったものです。

 

そして、カラーページなども任せてもらったりして、ほとんど私が書いたページがあったとしても、先生の名前だからこそ、いただける原稿料です。

 

私の名前では一銭にもならない訳で、そんなジレンマにも耐えないといけないですよね。

 

漫画家さんにもよるかもしれませんが、メインの人物だけは、先生がペン入れする事が多かったですし、先生がペン入れたら、やはりそれは見事に「絵が活きる」のを何度も見ました。

 

けれど、それ以外の人物、背景、小物などなどは、ほとんどスタッフの手によるものでした。

 

それを、ファンが見た時には「先生が書いたもの」と思えるように書かないといけない訳です。

 

なので、最初に言われた事は、どんなに腕があっても気持ちが離れたら、仕事はできない、という事でした。

 

つまり、先生が赤い花を白、と言ったら、スタッフは白に見えないと、やっていけない世界だという事です。

 

昭和の時代だから、の主従関係かもしれませんが、芸術家のスタッフなワケですから、現在でもそれなりに、そんな関係を期待される?世界なのかもしれません。

漫画アシスタントあるあるまとめ

・漫画家のアシスタントといっても、漫画を描くだけが仕事ではありません。

・好きで描く漫画と違い、不特定多数の読者を相手に書くという事には、かなり注意が必要なので資料や準備に時間がかかります。

・実際にペン入れする時は体力勝負なのが、漫画の世界だと言えます。

 

昭和の時代に一世を風靡した漫画家のアシスタントあるあるを書かせていただきました。

現在ではパソコンで描いたりするそうですが、それでも、時間も手間もかかるはずですからやはり締め切り前は大変でしょうね!

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