雑学

ニュージーランドにあるオークランドの地名の由来とは? 歴史も合わせて説明します!

投稿日:2019年4月19日 更新日:

ニュージーランド最大の都市といわれているオークランド。

 

ちょっとした調べものをするときに「オークランド」で検索するとアメリカのオークランドの情報が出てきてしまい、まぎらわしい思いをすることがあります。

 

ニュージーランドのオークランドはなぜオークランドという地名になったのでしょうか?どんな由来があるのでしょうか?

ニュージーランドのオークランドはアメリカのオークランドと綴りが違う!

ニュージーランドの人口の約四分の一が住んでいるといわれている、最大の都市オークランドは地図で見てみるとよくわかるのですが、北島の先端に向かって細くなっていく部分の一番細いところに位置しています。

 

この細いところに人口が密集しているのかと考えるといつか折れてしまいそうな気にもなってしまいますが、海に面しているエリアも広く「帆の街City of Sails(シティ・オブ・セイルズ)」の愛称で親しまれています。

 

小型船舶の登録数は世界最大で、計算上ではオークランド居住者の3軒に1軒の割合でヨットやボートを保有していることになるそうです。

 

港にびっしりと停泊しているボートやヨットの眺めはちょっとしたオークランド名物ですし、運転中にボートをけん引した車が前後を走っていることもよくあります。

 

英語での表記はAucklandですが、「オークランド」と呼びます。

 

同じ呼び方でOaklandと表記するとアメリカのオークランドの都市名になります。

 

カタカナ表示だと混乱を招くために、USオークランドとNZオークランドと表記し区別するようにしているようです。

ニュージーランドにあるオークランドの地名の由来と歴史

イギリス人によるオークランドの都市建設は1830年代から始まりました。

 

1840年のワイタンギ条約の締結により、ニュージーランドはイギリスの植民地とされ、この時にイギリス海軍のウィリアム・ホブソンがニュージーランドの初代総督となりました。

 

同時に、オークランドの建設がすすんでいた土地はマオリ族から総督への有効の証として寄贈されたといわれています。

 

1841年に、ウィリアム・ホブソンはワイテマタ湾の南岸に大型船が停泊できることを発見し、そこをニュージーランドの首都と定め、オークランドと名づけました。

 

この地名は、当時インド総督(イギリス東インド会社総督)を務めていた政治家の初代オークランド伯爵ジョージ・イーデンに由来していると考えられています。

 

インド総督とは当時のイギリスでは「最も魅力的なポスト」として評されており、影響力も大きかったようです。

 

インド総督としては10代目にあたるジョージ・イーデンですが、イギリスイングランド北東部にオークランドという地名があり、そこに由来してオークランド伯爵の爵位をもらっています。

 

そして、この総督の名前が元となり、ニュージーランドのオークランドの名前の由来になっているようです。

 

少し混乱しそうですが、すでにイギリスの影響が大きかったということがうかがえる気がします。

ニュージーランドにあるオークランドに伝わる歴史的なアニバーサリーデー

初代ニュージーランド総督ウィリアム・ホブソンがニュージーランドへ上陸したのは1840年1月29日と伝えられています。

 

この日を記念日として制定し、オークランドを中心とした北島北部のエリアでは祝日扱いになります。

 

現在では毎年、この日に最も近い月曜日か金曜日が祝日の該当日とする移動祝日となっています。

 

2019年は1月28日がオークランドアニバーサリーの祝日で3連休でした。

 

ニュージーランドの他の都市・地域でもそれぞれの地にヨーロッパ人入植者が到来した日を記念して同様の記念日が制定されています。

 

日本では建国記念日が祝日となっていますが、ニュージーランドでは建国された日は普通の日で、この建市記念日のような記念日が祝日になっています。

 

このアニバーサリーデーはわたしたち家族のように都市から都市への引越しをした後は慣れるまでちょっと大変です。

 

オークランドに越してきて4年目になりますが、今年はうっかり忘れていて子供のランチの準備をしてしいました。

 

長らくニュージーランドに住んでいますが、毎回このアニバーサリーデーの話を聞くと地域ごとに祝日が違って各地に支店があるような企業は混乱しないのかと不思議に思います。

 

首都であるウェリントンは1月22日を直近とする金曜日か月曜日、南島のクライストチャーチは11月15日、さらに南のクィーンズタウンでは3月23日を直近とする金曜日か月曜日が各エリア、市の記念日として祝日になっています。

 

また、1840年にマオリ族とイギリスの間で締結された、イギリスがニュージーランドの主権を握り植民地とするとされたワイタンギ条約の記念日として毎年2月6日が祝日となっています。

 

ワイタンギデーと呼ばれる祝日ですが、歴史的な背景が複雑に絡んでいることもあり、毎年多少の物議を醸す日でもあります。

 

日本の終戦、原爆投下などに関わる問題のように簡単な話ではないのですが、記憶に残るように年に一回思い出させてくれるこの日は貴重なのではないだろうかと感じています。

ニュージーランドにあるオークランドの由来と歴史まとめ

・「帆の街City of Sails(シティ・オブ・セイルズ)」の愛称で親しまれている、ニュージーランド最大の都市オークランドは英語ではAucklandと表記されているが、Oaklandと表記するアメリカの都市と日本語での呼び方が同じなため、NZオークランドとUSオークランドと区別表記されることもある

 

・イギリス海軍のウィリアム・ホブソンがニュージーランドの初代総督に1840年になり、翌年1841年にニュージーランドの首都として、当時影響力のあったインド総督の初代オークランド伯爵ジョージ・イーデンに由来して地名がつけられた

 

・1840年1月29日はニュージーランド初代総督となったウィリアム・ホブソンが到着した記念日としてオークランドを中心としたエリアは祝日になり、他の都市・地域でもそれぞれの地にヨーロッパ人入植者が到来した日を記念して同様の記念日が制定されている。

 

・毎年2月6日はマオリ族とイギリス人の間で締結されたイギリスがニュージーランドの主権を握るというワイタンギ条約の締結日として祝日になっている

 

オークランドの地名の由来や歴史をみてみると改めていかにイギリスの影響が大きかったのかを認識します。

 

今でこそグローバルな都市になっていますが、マオリ族との歴史にも奥深いものがあり、時間を経て今でもなお変化し続けている最中なのだろうと感じています。

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