校則に法的根拠はあるの? 3つの例から考える。
投稿日:2019年1月30日 更新日:
私立の小中高はもちろん、公立高校にも「校則」があります。
校則の中には、アルバイト禁止や服装の決まり、バイクや車の運転免許の取得禁止などがあります。
しかし、法律では16歳以上で就労をすることができますし、バイクの免許は16歳から、自動車の普通免許は18歳から取得することができます。
校則では禁止されているけれど、どうしてもアルバイトをしたいときは、どうしたらいいのでしょうか?
校則を守らなくても法律に触れなければ問題はないのではないのでしょうか?
結論を先にお話してしまうと、学校の校則で違反しても法律に触れなければ罰せられることはありません。しかし、校則で禁止しているのには、しっかりとした理由があります。
今回は学校の校則と法律のどちらを優先した方が良いのか、というお話をご紹介します。
制服、アルバイト、バイク、という3つのよくある例を使って考えてみましょう。
どこまで自由?学校の校則
と、その前に、学校の校則は3つの作り方があります。
一つは、学校が主導で作り生徒はそれに従うだけの方法、これは厳しい私立によくありますね。
制服の着方はもちろんですが、男女交際禁止という学校もあります。
スカートの丈はひざ下10cmや髪の毛は肩に着いたら必ず二つに分けて結わかなくてはいけない、というものなど普通という学校もたくさんあります。
2つ目は、はじめは学校主体で作り、そこに生徒会役員と学校の話し合いによって校則の変更がある方法です。
この方法を使っている学校が一番多く、私立でも生徒を信用し自主制を重んじる学校では、良く行われています。
公立高校の多くもこのパターンです。
そして、3つ目は生徒の自主性にほとんど任せ、最後の決定の時に学校との話し合いがあり決められる学校です。
どちらかというと自由性が高く、しかし生徒のレベルも一定以上の学力があるため、羽目を外しても一定以上の違反行為はしません。
都内の高校では公立私立関係なく、私服の学校が増えていますが、いずれもレベルが高い学校ばかりです。
さて、それでは制服、アルバイト、バイク、という3つのよくある「法律で強制されていなくても校則で強制されているもの」を例にとって、法律と校則の関係を見ていきましょう。
制服VS私服!法律ではもちろん強制はしていない。では校則ではなぜ制服を強制しているのか?
法律では、学生は制服を着なければいけないという規則はありません。
しかし、多くの学校で制服を用意し、その着方まで指定しています。そこまで決められるは「ウザイ」「面倒」というなら、それなりの学校に行けばいい、というのが大人の言い分になりますが、それは事実です。
欧米をはじめ世界のほとんどは私服の学校がほとんどですが、それは家庭や国の子育て事情の違いです。
例えば自助努力のアメリカはほとんどが私服です。
厳しい一部の私立高では制服が指定されています。それでも、ピアスやアクセサリーは認められているところがほとんどです。
それでも、生まれてすぐに自主性を重んじるアメリカでは、自分が一つ間違ったラインを選んだら、たとえ学生でも犯罪者になります。こういったことも自己責任です。
ドイツやフランスは、日本以上に家庭のしつけが厳しく、子どもが遅い時間まで外で遊ぶということはないのだそうです。
ほとんどの10代の少女たちは自分の身を守るために短いスカートを履いたり、派手な格好をして学校へ行くことはありません。
夜遅くで歩くことの危険性を、子どものころからしっかりとしつけられて育っているからです。
しかし、小学生や中学生はもちろん、大学生になっても「親」が口や手を出す日本や一部のアジア諸国では、自分で困ったときに責任を負えない、という人がほとんどです。
親の手や目が緩んだ高校生の時に、自由になっても「自由」と「自分勝手」の区別がつかず、知らないうちに犯罪被害者や加害者になってしまうことがあります。
大人の中には、こういった可能性を持つ子どもを見抜くことができる人がいます。
制服を用意すること、制服を決まり通り着ることは、誰のためでもなく自分の身を守るためです。
しかし、中高生の中には法律では決められていないのだから、と平気で校則を守らずに着崩して自ら危険なことを呼び込んでいる人もいますね。
短いスカートやだらしない制服姿がおしゃれだと思いますか?
1990年代に流行したルーズソックスや埴輪ファッションがかっこ良いですか?
ルーズソックスは足が太く短く見えます。
埴輪ファッションも短足に見えます。
ズボンを下げて履く腰パンも短足に見えますね。
そして、悪い大人につけ入るスキを与えています。
きちっと制服を着ている人は悪い大人たちに付け入るスキを与えません。
学校の先生の中には「校則だから守りなさい」という人もいますが、校則だから守るのではなく、自分の身を守るためということを、知ってほしいです。
法律ではアルバイトをしてもよい。校則ではどうなっている?
私個人の見解では、高校生にはアルバイトをさせるべきだと思います。
それは、日本の社会では16歳以上65歳までを「就業人口」としているからです。
労働基準法でも、16歳以上は就労をして良いとされています。
アルバイトをすることは、学校では学ぶことができない社会の厳しさを知ることができます。
禁止している学校の中には、アルバイトをすることでお金を自由に使えるのは危険としていますが、私立の学校の中には親から毎月数万円から、中には10万円以上のお小遣いをもらっている子もいます。
自分で働くことなく受ける大金ほど危険なものはありません。
もちろん、学校の勉強の妨げになるようなら問題ですが、勉強にも影響を与えない、学校も許可を出すというアルバイト先なら、むしろ奨励すべきです。
全国的にアルバイトを禁止していのは、私立高校で、公立は家庭の経済事情もあり、ほとんどの学校が禁止をしていません。
もちろん、コンビニやファミレス、スーパーのレジなどのアルバイトになりますが、それでも色々な大人と触れることで、親や先生以外の人から叱られたり、理不尽な思いをすることもあります。しかし、それを学ぶのもアルバイトです。
しかし、残念なことに法律では認めても学校で禁止している場合は、守ることが優先になります。
どうしても社会経験がしたいという場合は、ボランティア活動などの経験をしてみましょう。
運転免許が欲しい!法律は認めているのに校則が認めてくれない
新海誠監督の「秒速5センチメートル」を見て、バイク通学に憧れた人はいませんか?種子島の高校に通う主人公が、通学でスーパーカブに乗るシーンがありますね。
高校生がバイクを乗るシーンが、漫画やアニメには意外と多く名探偵コナンの服部平次もバイクに乗っています。
しかし、ほとんどの学校でバイク通学はもちろん、バイクや自動車の運転免許の取得を禁止しています。
まず1つ目は、事故にあった時の責任能力が高校生にはないからです。
未成年の高校生が事故を起こしてしまったら、親が責任を負うことになります。
通学で利用していれば、学校の責任などを問われることもあります。
中には、私立の学校に通いながらも内緒で親が免許を取らせて、バイクや車を買ってあげるという家庭もあります。
学校にバレれば即退学、ということも理解しているとは言います。
しかし、本当にそうでしょうか?
おそらくいざとなれば、学校にたてつくことがわかる親ほど、こういったことを軽い気持ちで言ってしまいます。
2つ目は、バイクや自動車の免許取得には数万円から30万円かかります。
購入をすれば当然維持費として税金の支払いも必要です。
高校生に、そのお金が用意することが可能でしょうか?おそらく、難しくなります。
アルバイトを禁止している学校で、車やバイクを維持するというのは、矛盾していませんか?
こういった矛盾を考えたら、当然免許の取得は禁止となるのは当然です。
しかし、学校の義務教育は15歳までで、中学を卒業と同時に仕事に就く人もいます。
16歳で仕事をしている人の中には、バイクで宅配の仕事をしている人もいます。
こういった人にとってバイクや車の免許が必要なのです。
工事現場で仕事をしている人や、農業に従事している子どもはトラクターやブルドーザーの操作が必要になります。
そのために、小型特殊免許も16歳で取得することができます。
今の法律はほとんどが戦後に作られています。
当時は、お金持ちや長男などでないと、高校へ進学できない家庭もありました。
法律で認めているのは、お金持ちの子が遊びでバイクや車を乗り回すためではなく、仕事で必要な人のために認めているということを、忘れないでください。
「秒速5センチメートル」の学校は種子島です。
地域上、バイクで通学しないと学校への通学が難しいから、16歳になるとみんな免許を取ることを認めています。
バイク通学を認めている学校のほとんどは、公共交通がなく。通学に親の送り迎えや、相当な時間をかけた自転車通学しかできない、といった地域の場合のみ、公立の学校でもバイク通学を認めている、という例がほとんどです。
校則だから免許を取れない、ではなく必要ないから取らなくていいのです。
法律は必要な人が取れるようにしているのだということを理解しましょう。
もちろん、校則よりも法律の方が優位性は高くなります。
16歳で免許を取っても違法ではありません。
しかし、校則に反すれば学校の規則ではそれなりの処分があるというのは当たり前のことです。
まとめ
・学校に校則があるのは、それなりに理由があるからです。その理由をしっかりと理解して守りましょう。
・学校の校則を違反しても法律で罰せられることはありません。しかし、その学校に所属する以上、校則違反をすれば学校での罰則は受けることになります。
・学校で決めている校則のほとんどは、高校生までの子どもたちが自己責任の範囲で行動ができるためのものです。
・法律と校則の違いは、中学を卒業した後の10代の子どもたちには学校へ行く人と働いている人がいるからです。
学校の校則は学校によって違いがあります。学校の校則の内容は、入学前の学校説明などで知ることができます。
それが納得できないなら、自分の考えや家庭の状態にあった学校を選ぶこともできます。学校によっては、中学なら親の保護者会、高校生なら生徒会役員などになると、理不尽な校則を改善することもできます。
校則にあらがうのではなく、学校の校則を理解し、理不尽なら改正を求めるなどの行動をとってみましょう。
執筆者:woodbat
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