雑学 食材

蜂蜜, 黒蜜, メープルシロップ, マヌカハニーの違いとは? きちんと区別できますか?

投稿日:2019年3月13日 更新日:

天然素材の甘味料として、お菓子や食事に使われることもある「蜂蜜」「黒蜜」「メープルシロップ」「マヌカハニー」ですが、甘さや色合いなど非常によく似ていると思ったことはありませんか?

 

知っているようで混同しているような微妙な違いを解説していきます。

蜂蜜とは?

蜂蜜は、蜂によって集められた花の蜜で世界中に1000種類以上の種類があるといわれています。

 

蜂蜜の主成分はブドウ糖と果糖です。

 

ショ糖で構成されている花の蜜が、蜜を集める時に蜂から出される蜂の分泌酵素によって分解されて発生するものです。

 

蜂蜜の栄養価として着目されているのがビタミンです。

 

ビタミンC、ビタミンB群といった体とお肌の健康促進に役立つビタミンがたっぷりと含まれています。

 

食用としてはもちろんですが、肌に直接的な美容効果を得るために蜂蜜の入った美容液やクリームも数多く出回っています。

 

消化もされやすく、体内に取り込まれてから素早くエネルギー源として働くので、疲労回復にもとても効果的でもあります。

 

また、強い殺菌作用を持つため、昔から民間療法においての薬としても扱われてきました。

 

風邪の予防、喉の痛みの緩和、傷ややけどの治癒力を高めるなどというようにさまざまな使い方をされています。

 

蜂蜜に含まれているボツリヌス菌が乳児ボツリヌス症を発症させる可能性があるため、1歳児未満の乳児には与えてはいけません。

 

ボツリヌス菌は通常は腸内細菌の働きによって増殖することができませんが、細菌が整っていない一歳未満の乳児には体内でボツリヌス菌が増殖してしまう可能性があり危険です。

黒蜜とは? 蜂蜜とは違って原料が黒砂糖

白玉ぜんざいなどにかけて食べると美味しい黒蜜は原料が黒砂糖です。

 

黒砂糖を水に溶かして煮詰めとろみをもたせたもの、精糖の段階で出る糖蜜を黒蜜と呼びます。

 

黒砂糖を水に溶かし、それらを煮詰める製造手順が取られているため、黒蜜には黒砂糖と同様の栄養が含まれるということになります。

 

黒蜜は豊富なカリウムを含んでいるため、むくみを改善する働きがあります。

 

また、カルシウムも多く含まれているため、髪を健やかに保ち、歯や骨といったカルシウムに関係する体の機能を強くしてくれる働きもあります。

 

さらには亜鉛も豊富に含まれているので、あるコール分解や精子の生成、妊婦さんであればお腹の子どもの発育を良くし、卵子の老化防止、さらには月経の乱れなども改善させる効能を持っています。

 

生殖器関係にも非常に良い食品として注目されています。

 

黒蜜は手作りすることもでき、必要なものは黒糖100gと水100g、手作り黒蜜を入れる容器200mlだけです。

 

まず、鍋に黒糖と水を投入し、中火か弱火で黒糖を溶かしていきます。

 

次に水と黒糖が入った液が沸騰したらそのまま弱火で煮たて、アクが出てくるのでそのアクを取りながらとろみがつくまで火にかけていきます。

 

全体的にとろみがついてきたら火から外し、熱が取れたら用意した容器の中に入れます。

 

煮沸消毒をしたビンに入れ、冷蔵庫で保管すると黒蜜の質を保ったまま保存することができます。

メープルシロップとは? 蜂蜜との違いは酵素分解がないこと!

メープルシロップは、北米原産のカエデ科の木などから樹液を採取して、それを人工的に煮詰めてつくります。

 

40リットルの樹液から1リットルのメープルシロップが出来上がります。

 

メープルシロップは、蜂蜜と違い酵素による分解がないので主成分はショ糖のままです。

 

ショ糖は、ブドウ糖や果糖に比べるとカロリーが少ないという特徴があります。

 

また、メープルシロップにはミネラル成分が豊富に含まれているという特徴もあります。

 

特にカルシウムやカリウムが豊富で、体の余分な水分を排出し、むくみをとってくれる食材として知られています。

 

カロリーが少なく、ミネラルが豊富ということもあり、ダイエット中の方や食事制限のある方が食事にちょっとした甘さを取り入れたいという時に向いています。

 

メープルシロップの原料となるサトウカエデは非常に地域性の高い樹木です。

 

全世界の生産量 の80%をカナダ東部地区ケベック州が占めており、残りはほとんどアメリカ合衆国のカナダ寄り北部という稀少な甘味料商品であるため、100%ピュアメープルシロップで良質なものはその分、金額も高くなります。

 

日本の輸入量も増えてはいますが、蜂蜜に比べると流通量も違うため、購入する時は成分をラベルなどでチェックし、他に何か入っていないか、純粋なメープルシロップなのかを確認したほうがいいようです。

マヌカハニーとは? マヌカの花から採れる特別な蜂蜜!

マヌカハニーは、ニュージーランドの一部に自生しているマヌカという野生の木の花から採取される蜂蜜で、昔から食用だけでなく、常備薬のようなものとして愛用されてきました。

 

一般な蜂蜜との大きな違いは「メチルグリオキサール(MGO)」という、普通の蜂蜜には含まれない有用成分が含まれていることです。

 

そのため、普通の蜂蜜に比べると香りや味が若干薬っぽく、苦みを感じることもあります。

 

また、ハーブの一種に分類されるマヌカの花からとれているために、色合いも濃く、水あめに近いような食感も違いの1つとして挙げられます。

 

この、メチルグリオキサールが含まれる度合いが大きくなると、独特の風味を強く感じるようになりますが、殺菌作用や医療作用も高くなります。

 

冬の時期になると風邪の予防薬やのどの痛み止めとしてニュージーランドでは活躍します。

 

ハニーレモンジンジャーという温かい飲み物やマヌカハニーの入ったのど飴はクセもなく、飲みやすいです。

 

マヌカハニーは蜂蜜の持つボツリヌス菌の危険性に加えて、一般の蜂蜜以上に強い殺菌作用や活性効果があるために、5歳未満の小さい子どもに与えないことが重要な注意点です。

まとめ

・蜂蜜は世界に1000種類以上の種類があるといわれている。ビタミンが豊富で殺菌作用や美容効果もあるためにさまざまな使われ方をしている

 

・黒砂糖を溶かしてとろみをつけたものが黒蜜で、手作りすることもできる。カリウム、カルシウム、亜鉛が豊富で小さいお子さんや妊娠中でも摂取できる

 

・カナダ東部をメインにサトウカエデというカエデの木の樹液を煮詰めて作ったものがメープルシロップ。甘さに対してカロリーは少なく、ミネラルも豊富なのが特徴である

 

・ニュージーランドで自生するマヌカの蜜を集めて作られるマヌカハニーはメチルグリオキサール(MGO)という有用成分が含まれていることが蜂蜜との大きな違い。独特の風味が強いが強い殺菌作用や活性効果がある

 

どれも天然の甘味料ではありますが、食事やレシピに合わせて使い分けるとより一層、食べ方の幅が広がるように感じます。

 

おいしく健康的な生活を送る知識をして頭に入れておいてはいかがでしょうか。

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