雑学

「温泉といえば卓球」といわれるのはなぜ? その由来と歴史を解説します!

投稿日:2019年2月3日 更新日:

温泉といえば卓球というイメージを思い浮かべる人は少なくないのではないでしょうか。

 

今時、温泉で卓球なんて…と思いつつ、行くとなぜかやりたくなってしまうものです。

 

一体なぜ、「温泉で卓球」の文化が生まれて定着したのでしょうか。

温泉で卓球の由来

温泉で卓球をする、温泉卓球の文化の由来には諸説あります。

 

一般的によく聞くのが、明治から大正にかけての時代に箱根の温泉宿で宿の限られたスペースで、お客さんの年齢に関係なくみんなが気楽に楽しめるものを考えたときに、卓球が選ばれ、置き始めたという説です。

そして、色々な温泉宿が次々と同じように卓球台を置いたため、温泉での遊びとして卓球が用意されだしたといわれています。

 

よく耳にする説としては戦後、田舛彦介という卓球の選手が世界的に活躍して、ブームになりそれで温泉に卓球台が置かれるようになったからというものもあります。

卓球というスポーツは、狭い室内でできる数少ない対戦型スポーツであり、台を折り畳むことができるため温泉宿のような場所には最適だとどんどん広まっていったともいわれています。

 

さらには、1998年に卓球のイベントで寂れた温泉街を復興しようとするコメディ映画『卓球温泉』が公開され、映画の影響から「温泉で卓球をする」のが流行し、卓球ブームを起こしたという説まであります。

 

明治、大正の時代から戦後、現代にかけて温泉と卓球は何かとつながりあって、長い時間をかけて文化として定着し、定番化していったようです。

温泉で卓球の歴史

明治、大正時代に生まれたといわれている温泉卓球の文化ですが、1980年代のインベーダーゲームやビデオゲームの登場によって、温泉街から卓球台が減っていき衰退していきました。

 

映画の影響で一時期ブームが再来するものの、ゲームセンターの台頭によって卓球台の代わりにゲーム機が設置され、再び姿を消してしまいます。

 

携帯型のゲーム機が出現し、ゲームセンターのスタイルが廃れていくと、コストもかからず、室内で気軽に楽しむことができ、メンテナンスも楽だという利便性を見直されはじめ、近年、再度定着しつつあります。

 

その流れによって、リゾート地のホテルでも空いている会議室に卓球台を置く場所が増えてきているようです。

 

また、温泉卓球に限定した大会なども行われているそうです。

「温泉で卓球」の根強い人気の理由

温泉、温泉旅館にはいろいろな地域から幅広い年齢層のお客さんがやってきます。

 

日常生活なら、時間を過ごすリズムがあるのですが、温泉旅館では、お風呂に入り、おいしい食事と、景色を楽しむというのんびり、ゴロゴロと過ごしてしまいがちです。

 

日ごろの疲れを癒そう、リラックスしようとは思っていても時間と体力を持て余してきたときに、温泉旅館の限られたスペースの中で、体を使い、汗をかき、楽しめるものとして、温泉卓球はぴったりの娯楽です。

 

「温泉にでも行ってゆっくりしよう。おいしいもの食べてのんびり過ごそう。」と楽しみにしていたのにも関わらず、いざ着いてみたら暇になってきてしまった、何しよう…となったことはありませんか。わたしは何度か経験があります。

 

時間を持て余して何をしていいかわからないというのはある意味贅沢な悩みなのですが、困りものです。そんな時に友人や家族との温泉卓球が不思議なくらい楽しくて、白熱して盛り上がったことがあります。

 

今思い返してみても何がそんなにスペシャルだったのかわかりませんが、いつもとは違う環境での解放感が盛り上がる要素だったのかもしれません。

 

本格的な卓球はかなりハードな運動ですが、温泉卓球はウエアーを気にすることもなく、「浴衣姿」、「スリッパ履き」で身構えることがありません。

 

気楽にできることも幅広い年齢に受け入れられる理由の一つではないでしょうか。軽い気持ちで始められる、多少の失敗も笑って流せる気軽さがちょうどいいのです。

 

身体を動かすので、温泉卓球でも汗はかきます。

 

ひと汗かけば飲み物が欲しくなりますが旅館内で手に入りますし、温泉はあるし、旅館外の観光施設に移動しなくてもすむことも人気につながります。

 

温泉卓球は旅館側にとってもいいことずくめです。

 

利用者にとっても好きな時に好きなようにのんびりしたり、身体を動かしたりできる気ままさが人気を保ち続けている理由なのではないでしょうか。

 

また、浴衣がはだける、チラチラする姿は文化としてとらえられ、文学小説などにもよく出るシチュエーションだったようです。

 

そういったことからも時代を通して温泉卓球の人気さ、定番さを垣間見ることができます。

 

最近は、温泉卓球の文化も様変わりしているようで、日帰りの温泉やスーパー銭湯などより、大手も温泉ホテル、旅館、スパ、健康センターなどに卓球台があり温泉卓球を楽しむ方々がいるそうです。

温泉卓球の由来まとめ

・温泉卓球の由来には諸説あるが、古くから楽しまれ定番化していった文化

 

・ビデオゲームやゲームセンターなどの影響で衰退していた時期もあるが、コストやメンテナンスの面や室内で気軽にできる娯楽として再定着してきている

 

・明治、大正時代から親しまれていることもあり、身構えることなく気軽に気が向いたときに、温泉でのゆったりした時間も過ごしながらできる温泉卓球は根強い人気を保っている

 

長い年月をかけて人気を保ちつつ、定着してきた温泉卓球を目的とした旅行のプランを立ててみるのもおもしろいのかもしれません。

 

温泉を楽しむだけではわからない、ひとあじ違った楽しみを味わえそうです。

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