雑学

駅伝とリレーの違いとは? よくよく考えてみると難しい!

投稿日:2019年5月21日 更新日:

お正月になるとよく聞く駅伝。

 

運動会や体育祭でよく行われるリレー。

 

どちらも同じような競技に見えてしまいますが、似て非なるものです。

 

駅伝とリレー、一体どのような違いがあるのでしょうか?

駅伝とは?

駅伝とは日本発祥の陸上競技の団体種目で、正式には「駅伝競走」といいます。

 

海外では「EKIDENN」とも呼ばれることもあります。

 

正式な国際名称は「Road Relay」と国際陸上連盟によって定められています。

 

駅伝もリレー競技の一種のように思われがちですが、実は駅伝はリレー競技には含まれていません。

 

42.195kmから数百kmのコースを複数人数でリレー形式で走り、順位や時間を競い合います。

 

国際陸上競技連盟では、駅伝の国際レースの基準を42.195km、6区間と定めています。

 

しかし、大会によってはコースごとに独自の距離、区間を採用しているものも多くあります。

 

駅伝は公道を走ることも大きな特徴です。

 

応援する人との距離が近い、先導車両がいるのは公道での競技だからです。

 

そのため、一人が走る距離、コースが区間によって違ってきます。

 

また、駅伝では事前に決められている区間を誰が走るかが決められています。

 

区間の特徴と選手の長所、特性を生かした区間配置とチームのバランスなどを組み合わせていくことが勝敗を握る鍵となります。

 

前の区間の走者からたすきを受け取ってから次の区間の走者がスタートするのが基本的なルールです。

 

距離の長いレースでの遅れが大きいチームは、前の区間の走者が来る前に繰り上げスタートを余儀なくされる場合もあるようです。

 

このようにレースの流れに左右されてしまうこと、個人記録だけでは予想がつかない勝敗、チーム全体とコース全体を見越した戦略が駅伝の魅力です。

リレーとは?

リレーとは陸上競技の一つでリレーしながら走る競技の総称のことです。

 

継走(けいそう)とも呼ばれることもあります。

 

個人競技がメインである陸上競技では珍しい団体競技でもあります。

 

リレーは陸上競技なので、トラック種目です。

 

競技目的で整備されたトラックを同じ距離走り、バトンを渡しつないでいきます。

 

リレーは基本的に四人の走者によってタイムを競います。

 

走る距離によって種類が違ってきますが、有名なリレー種目には400メートルリレー走や800メートルリレー走があります。

 

運動会、体育祭で行われることも多いのでリレー走を経験したことがある方も多いのではないでしょうか。

 

また、オリンピックでも注目を集めることが多いのがリレー走です。

 

リレーには短距離走が得意な選手が参加することが多いようです。

 

リレーではバトンを渡しつなぐ、バトンワークの技術力が最も重要視されています。

 

バトンのパスは決められているゾーン内でのみ行えません。

 

そのため、個人のスピード力よりもバトンワークの技術が高いほうが最終的なタイムに大きく影響してきます。

 

このバトンワークの技術力とチームワークがリレーの大きな魅力です。

駅伝、リレーの違い

このように駅伝とリレーは似て非なるものです。

 

駅伝とリレーの相違点をわかりやすくまとめてみます。

 

 

・レース距離

 

駅伝:42.195㎞、6区間(国際規格)

 

リレー:種目によって異なる、4人走者

 

 

・コース

 

駅伝:公道

 

リレー:トラック

 

 

・渡すもの

 

駅伝:たすき

 

リレー:バトン

 

 

・勝敗のポイント

 

駅伝:走る区間と選手の特性、チームのバランスといった戦略

 

リレー:バトンワークの技術力とチームワーク

 

 

この4点が駅伝とリレーのはっきりとした違いです。

 

また、駅伝は区間によって走者があらかじめ決められていますが、リレーはレースの流れに応じて走者の入れ替えをすることが可能です。

マラソンとは?

駅伝、リレーと聞くとマラソンを連想することもあるのではないでしょうか?

 

マラソンも駅伝のように42.195㎞を走る競技です。

 

また、マラソンも駅伝同様に公道を走ります。

 

駅伝、リレーはレースの距離に違いはありますが団体競技です。

 

その反面、マラソンは自分一人でこなす個人競技です。

 

個人競技ですので、駅伝やリレーと違いたすきやバトンの渡しつなぎは一切なく、淡々と自分との闘いになります。

 

個人競技のマラソンですが、大会によっては同じ国やチームの選手によるペースの調整やレース展開の作戦、心理戦などの駆け引きを垣間見ることができます。

 

ところで、駅伝やマラソンのレース距離は42.195kmととても中途半端です。

 

1924年以降のオリンピックでこの42.195kmが採用されて以降、競技距離は統一されています。

 

1896年の第一次オリンピック開催時には約40㎞の競技だったとされています。

 

1908年に開催された第4回ロンドンオリンピックで、王妃の注文でスタート地点やゴール地点を宮殿から見やすい位置に変更したためところこの42.195㎞という距離になったという説が距離の由来になっているそうです。

 

42.195㎞を走るフルマラソンのほかにも21.0975kmのハーフマラソン、10.54875kmのクォーターマラソンという種類もあります。

まとめ

・駅伝は日本発祥の陸上競技の団体種目。

 

42.195㎞を6区間にわけ、公道を区間ごとに決められた選手が特性を生かしながらたすきを渡しつなぎ、タイムを競う競技である。

 

・リレーは陸上競技における団体種目。

 

種目によってレースの距離は違うが4人走者で陸上トラックをバトンの受け渡しをしながらタイムを競う。

 

・マラソンは駅伝同様に42.195㎞の公道を走る競技だが、完全なる個人競技。

 

駅伝、リレー…うっかりすると混同してしまいそうですが、はっきりとした違いがあります。

 

違いを理解した上で今後観戦するときの参考にしてみると一層楽しめるかもしれません。

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