食材

ほうれん草に含まれるアクとは? 調理の時アク抜きは必要か?

投稿日:2019年4月29日 更新日:

春採野菜のほうれん草が美味しい季節です。

 

皆さんは、ほうれん草を調理する時にまず茹でますね。

 

これはほうれん草のアクを抜くためです。

 

しかし、ほうれん草に含まれる栄養素、ビタミンC・B1・B2は茹でることで、減少してしまいます。

 

ほうれん草には、アク抜きが必要なのでしょうか。

 

アクを抜かずに調理することは、できないのでしょうか。

 

今回は、ほうれん草に含まれるアクとは何か、アク抜きは必要か、ということについてご紹介しましょう。

ほうれん草に含まれるアクとは?なぜアク抜きが必要?

ほうれん草には、春採野菜の東洋種と、秋採野菜の西洋種があります。

 

東洋種は茎が長く葉に切れ込みがあります。

 

西洋種は葉肉が厚く切れ込みが少ないのが特徴です。

 

一年を通して収穫できるのは、東洋種と西洋種の両種を交配してできた雑種です。

 

ほうれん草は緑黄色野菜の中でも、カルシウムやビタミンC・B1・B2、カロテンが豊富な栄養豊富な野菜です。

 

栄養素の中には、水や加熱に弱いものもあり、できれば茹でることなく食べたいですね。

 

しかし、ほうれん草にはアクと呼ばれるものが含まれています。

 

ほうれん草に含まれるアクの主成分は「シュウ酸」です。

 

「シュウ酸」は、体内のカルシウムと結びつき、結石の原因となると言われています。

 

それを聞いてしまうと、やはりしっかりとアクを抜かなければ、と思った方もいることでしょう。

 

しかし、あまり心配しないで下さい。

 

ほうれん草に含まれるアクの食用くらいでは、それほど問題ないと言うことです。

 

それでも食べる時に、アクは苦みや渋み・えぐみを出すため、調理をする前に除く作業をします。

 

また、問題ないと言われていても、食べ過ぎたり体調によってはカルシウムの吸収を阻害したり、消化不良を起こすこともあります。

 

高齢者や小さな子どもが食べる時は、しっかりアク抜きをしましょう。

 

また、シュウ酸は口の中の唾液と結びつくと、口の粘膜を刺激することもあります。

 

これがえぐみになります。

 

そのため、お浸しなどにする時は、あらかじめ茹でてアクを抜きます。

 

ほうれん草を茹でると、茹で汁の中にほとんどのシュウ酸が溶けだして、アクを取り除くことができます。

 

しかし、アクを抜きをし過ぎると、野菜そのものの風味が損なわれてしまうこともあります。

 

アクは適度な量であれば、食材の個性的な味覚の一部になります。

 

そのため、アク抜きをする時間の加減が大切になります。

 

ほうれん草のアクは、水溶性のため茹でることで外に溶け出しますが、苦みや渋み・えぐみは油で炒めると、コーティングすることもできます。

茹でないほうれん草の食べ方

それでは、ここでアク抜きをしないほうれん草のレシピを1つご紹介しましょう。

 

ほうれん草は茹ですぎると、ビタミンCが損なわれてしまいます。

 

そこで、さっと茹でる程度にします。

 

しかし、それでは充分にアクが抜けるわけではありません。

 

そこで、炒めることでアクを感じさせない簡単レシピをご紹介しましょう。

 

【材料】(4人分)

・ほうれん草  400g

・ウインナー 8本

・醤油 20ml

・ごま油 20ml

・いりごま 5g

 

【作り方】

①ウインナーは、斜めに薄切りにします。

 

②ほうれん草は洗って水にさらしアクを抜いておきます。

 

水気を切って3~4cmのざく切りにします。

 

③フライパンにごま油を入れて、ウインナーを傷めて、その中にほうれん草を入れてさらに炒めます。

 

④醤油といりごまを加えて味を整え炒めて、出来上がりです。

茹でずに電子レンジでアクを抜く

ほうれん草のお浸しを作る時、鍋で湯を沸かしていちいち茹でるのは、面倒ですね。

 

しかし、アクを抜くためには茹でることが必要です。

 

その茹でる作業が電子レンジでできたら良いと思いませんか。

 

電子レンジは本当に便利です。

 

まず、ほうれん草の根をカットして4~5cmに切ります。

 

そして、水にさらして下さい。

 

シュウ酸は水にさらすことでも、抜くことができます。

 

数分水でさらしたら、水気を切って耐熱容器に入れます。

 

ほうれん草は1/2束分で600Wで2分半茹でます。

 

鍋を使わずにアクが抜けるので、とても簡単です。

 

忙しい時にも洗い物を減らすことができて、とても便利です。

 

電子レンジで加熱したら汁をぎゅっと絞って、醤油とおかかで味付けしましょう。

アクのないほうれん草

本来、アクのあるほうれん草ですが、最近「サラダほうれん草」というのがあるのをご存知ですか。

 

生のまま食べても、全く苦みや渋み・えぐみがありません。

 

すでに利用されている方もいることでしょう。

 

ところで、サラダほうれん草は普通のほうれん草と、いったいどこが違うのでしょうか。

 

サラダほうれん草は、ほうれん草になりますので、栄養素はほぼ同じです。

 

カロテンやビタミンを豊富に含みます。

 

しかし、アクをほとんど含みません。

 

サラダほうれん草は、元来のほうれん草のアクが出ないように、品種改良したものです。

 

種まきほうれん草といい、種をまいてから30~50日で収穫できる柔らかいほうれん草です。

 

アク抜きをする必要がないため、時短にもなると、普通のほうれん草よりも利用している人もいるようです。

 

ビタミンやミネラルなど、健康に良い栄養素がたくさん入っているほうれん草が、生のままで食べられるということで重宝されています。

アクのある他の野菜

ほうれん草の他にもアクを含む野菜があります。

 

特に山菜はアクを含むものがあります。

 

たけのこ、ごぼう、レンコン、カリフラワー、うど、わらび、ふき、ゼンマイにはアクが含まれています。

 

たけのこや大根は、ぬかを使ってアクを抜きます。

 

しかし、レンコンやごぼうは切った後水にさらすことで、アクを抜くこともできます。

 

山菜類は、ほうれん草と同じように下茹ですることで、アクを抜きますね。

 

カリフラワーにもアクが含まれていますが、カリフラワーは水にさらすだけで大丈夫です。

 

私たちが普段口にする野菜には、ジャガイモ・サツマイモ・ナス・大根などアク抜きをしなくても食べることができるものもあります。

 

気になる時は、水にさらすだけで大丈夫で、調理することができます。

 

ただ、そのままではアクで吹きこぼれることもあるので、気を付けましょう。

 

このように、野菜の種類によってアクを抜く方法は色々違います。

まとめ

・ほうれん草に含まれるアクは、苦みや渋み・えぐみのもとになります。

 

・消化不良を起こすこともありますので、ほうれん草は茹でてアク抜きをすることが大切です。

 

・アク抜きは、電子レンジで行うこともできます。忙しい時は、電子レンジでアク抜きをしましょう。

 

・サラダほうれん草は、アク抜きをせずに生で食べることができるほうれん草です。

 

・ほうれん草の他にも、大根やたけのこなどアクを含む野菜はたくさんあります。

 

ほうれん草のアクのお話でした。

 

ほうれん草は身体に良い栄養をたくさん含む万能野菜です。

 

できるだけ栄養素を損なわずに、アクを抜いてほうれん草を調理して食べてみましょう。

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