ニュージーランド 雑学

ニュージーランドの国名の語源・由来とは? 歴史についても元在住者が解説します!

投稿日:2019年4月23日 更新日:

オセアニア、南西太平洋に浮かぶ日本より一回り小さいくらいの島国、ニュージーランド。

 

自然も豊富で観光や留学にも人気がありますが、ニュージーランドの国名の由来について知っていましたか?

 

実はちょっと面白い由来と歴史があります。

ニュージーランドの国名と由来

英語ではNew Zealand、マオリ語で はAotearoa(アオテアロア)がニュージーランドの正式名称です。略称としてはNZが使われています。

 

日本語でも「ニュージー」と呼ばれることが多いのですが、正式には「ニュー」と「ジーランド」に分けられています。

 

マオリ語でのAotearoaには「長い白い雲の土地」という意味があります。

 

マオリの人達は主に北島で生活をしていたので、北島をさしてこのように呼んでいました。

 

2016年にディズニーから公開された「モアナと伝説の海」はニュージーランドが舞台ともいわれています。

 

作中で描かれているように船に乗って9世紀ごろにポリネシア人開拓者がやってきて定住したと伝えられています。

 

この時にやってきたポリネシア人開拓者をマオリ人と呼び、子孫を残しマオリ族として生活を始めました。

 

その後、ヨーロッパ人によって島が発見され、開拓されるまでの長い期間、独自の文化で生活を営んできました。

ニュージーランドの国名の由来と歴史

長い間マオリ族に「アオテアロア」と呼ばれ、マオリ族が生活してきたニュージーランドですが、大航海時代である1642年に初めてオランダ人のエイベル・タスマンによって発見され、ヨーロッパに紹介しました。

 

しかし、この時は1616年に発見されたチリの南の土地だと勘違いし、Staaten Landtと地図に記されてしまいました。

 

1年後の1643年にオランダ東インド会社の総督であったヘンドリック・ブラウエルによって再調査され、チリの南ではないことが判明しました。

 

その時にオランダのゼーラント州 (Zeeland) にちなみ、ラテン語で Nova Zeelandia、「新しい海の土地」という意味を持つ名前に命名されました。

 

ゼーラント州はオランダ東インド会社と縁のある土地でもあり、そこに「新しい」という意味を持つNovaと組み合わせてつけられたと考えられています。

 

その後、ラテン語からオランダ語で Nieuw Zeelandと呼ばれるようになったそうです。

 

地図に記載され、ヨーロッパに知られることになったNieuw Zeelandですが、発見から100年以上地図に記載されたまま時間が過ぎました。

 

そして、1769年にイギリスの有名な冒険家であったジェームス・クックが足を踏み入れます。

 

これを機に、オランダ語でNieuw Zeelandと呼ばれていたこの土地を英語のNew Zealandに変えて呼ぶようになりました。

 

英語では New Sealand と表すのが本来の訳なのですが、オランダ語の発音の名残とデンマークのシェラン島(Zealand)のスペルを合わせてこのように名付けたと言われています。

 

ジェームス・クックはその後も数回にわたりニュージーランドに航海してきています。

 

その度に発見した島を北島、中島、南島と呼びましたが、現在は中島と呼ばれた島が南島になり、南島と呼ばれた島がスチュアート島になっています。

ニュージーランドの国名、改正?!

1643年にオランダ人エイベル・タスマンによって初めて発見され、1769年にイギリス人のジェームス・クックによって改名されたのちに、開拓を進められていた歴史のあるニュージーランドですが、1856年の建国以後もNew ZealandとAotearoaの2つを国名の正式名称として使ってきました。

 

現在発行されているニュージーランドのパスポートにはNew ZealandとAotearoaの2つが表紙に書かれており、ニュージーランド人が旅行の際に使っています。

 

最近になって、パスポートには書かれているのに正式には2つ分けた呼び方があるのはおかしいのではないかという動きが話題になっています。

 

New Zealandだけでなく、「New Zealand Aotearoa」という国名に正式に改名しようという動きが始まりました。

 

主張としては、オランダに由来する国名ではオリジナリティがなく、さらには長い歴史を持つマオリ族の言葉も含めるべきだというものです。

 

まだ始まったばかりのこの動きは現在、フェイスブック上でページが開設され、注目されています。

 

ニュージーランドでは前首相が在任中に「イギリス連邦の名残のある国旗ではオーストラリアと区別がつきにくい、ニュージーランドらしいものに変更しよう」と国をあげた動きになり、国民投票になった過去があります。

 

結果、国旗の変更はなくなり現状維持になっています。

 

今回のこの動きも時間と国の予算の無駄になるという辛辣な意見もすでに出ていますが、今後どのようになっていくかしばらく話題になりそうです。

まとめ

・ニュージーランドは英語でのNew Zealandとマオリ語の「白い長い雲の土地」という意味を持ったAotearoaの2つが正式名称として使われている

 

・ニュージーランドは1642年にオランダ人のエイベル・タスマンによって初めて発見され、地図に記載された。1643年にオランダ東インド会社の再調査でラテン語で Nova Zeelandiaと名付けられ、その後オランダ語で Nieuw Zeelandと呼ばれるようになった。1769年にイギリスのジェームス・クックの到着後New Zealandに改名された

 

・始まったばかりだが、ニュージーランド国内で国名を「New Zealand Aotearoa」に改名しようという動きがあり、注目を集めている

 

ニュージーランドは大航海時代に発見された小さい島国ですが、当時の人々の探索にかけるエネルギーのすごさもさることながら、それよりもずっと前に独自の方法で開拓をしていたポリネシア人開拓者達のすごさには言葉も出ません。

 

オランダ由来の国名が本当に改名されるのかどうかしばらく話題になりそうですが、世界的に国名を変えようという国はなかなかないのではないでしょうか。

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