ニュージーランドと日本の料理や食事・食文化, 食べ物の違いってどんなもの? 現地在住者が解説します!
投稿日:2019年2月17日 更新日:
イギリスの植民地だった時代の影響を受け、広く残っているイギリスの文化と先住民であるマオリの文化とを共存させながら独自の文化やスタイルを作り上げたニュージーランド。
一体どのような食文化なのでしょうか。また、日本と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
ニュージーランドの食事・食文化や料理, 食べ物
各家庭によってさまざまですが、朝食はシリアルやトースト、昼食はサンドウィッチやパイ、前夜の残り物など、夕食はローストかグリル、オーブン料理というのが定番です。
1日に2度、午前と午後にティータイムがあることが特徴的です。
一般的に主食はイギリス文化の流れでジャガイモが多いですが、マオリ民族もクマラと呼ばれるサツマイモの一種を食用に栽培していた流れもあり、クマラもよく食べられています。
最近は移民の増加に伴い、食事や食文化も変化してきています。
輸入食材店で見かけるような調味料やスパイスだけでなくニュージーランド人向けにアレンジされたものまでスーパーマーケットに陳列されるようになりました。
フィッシュアンドチップス、ミートパイ、バーベキューは今でも定番で根強い人気の食文化ですが、「食の国際化」とも呼ばれるようにグルメに興味を持ちだし、オーガニック食品や野菜中心のベジタリアン、ヴィーガンなどにこだわる人も多くなりました。
グルメ番組の影響をうけてスーパーマーケットで手に入る多国籍な調味料やスパイス、ソースを各家庭好みにアレンジした料理を楽しむ家庭も増えました。
炊飯器がある家庭も珍しくありませんが、アジア人以外の家庭で洗米していることは少ないです。
日本人として面白かったものにロースト肉の下味にふりかけを使う、酢飯を土台にケーキのようにネタを盛り付けるアレンジがあり、アイディアの斬新さに驚いたことがあります。
ニュージーランドと日本の食文化の違い:特徴的なティータイム
イギリス文化の名残で、日曜日にはランチに「サンデーロースト」を食べることも多いです。
ローストしたお肉とポテトをメインに蒸した野菜を数種類ワンプレートに盛り付け、グレイビーソースをかけたものを家庭で食べます。
その家庭の父親がローストを切り分ける役割です。
北島に多いマオリ系やパシフィック系の家庭ではよく釣りに出かけ、収穫したものを食べる家庭もありますが、出回っているお魚の種類も日本に比べると少なく、基本的には肉がメインの食文化です。
シーズンによって出回る牡蠣や年間を通じて手に入るグリーンマッソルはニュージーランド名物でもありますが、シーフードが苦手というニュージーランド人も少なくありません。
その代わり、羊の国と言われるだけあってラム肉がよく食卓に登場します。
大きく違う文化の1つが午前中の10時前後、午後の3時前後にあるティータイムです。15分から30分ほどの休憩時間なのですが、学校からオフィスまで必ずあります。
公立学校には給食のシステムがないので、毎日家庭で用意してもらったランチを詰めて学校に持って行きます。
マフィン、スコーン、クラッカーやチップス、クッキーなどをティータイム用にリンゴ、バナナなどのフルーツまるごとにヨーグルト、サンドウィッチをランチ用に持っていくので、ちょっとした工具箱くらいのサイズのランチボックスになり、大きさにも驚きます。
ニュージーランドから日本に転勤になった家族のお子さんが日本の学校に通う時にこのティータイムの文化に悩まされたと聞いたことがあります。
日本の学校にはティータイムはもちろんスナックを持っていくことすら許されていません。
そのため、先生たちに相談してこっそり食べさせてもらいつつ、量を減らし食べないことに慣らさせていったそうですが、一度身についた習慣を変えるのはなかなか大変だったと思います。
夕食後のデザートもほぼ必ずと言っていいほど出てきます。
プディングとも呼ばれるホームベイキングのさまざまな甘いパイやケーキ類、アイスクリームが多いです。
ニュージーランドの飲酒文化と肥満大国っぷり
簡単に想像できると思いますが、基本的に食べ物1つ1つが大きく甘いものが好きな人がほとんどです。
お酒が好きな人ばかりで、ランチタイムに食事と一緒に一杯飲むビジネスマンたちの姿は日常的に見かけます。
小さい子供連れでも気軽に入れるカフェやレストランでもランチの時に一杯楽しむ家族もいます。
アルコールの消費量も世界的にもトップレベルで、甘いもの好きに加え、フィッシュアンドチップスやピザなどのファーストフードが安価で手に入るために世界有数の肥満大国でもあります。
食文化の変化に伴い、健康的な食事に気を使う流れも活発になってきています。
グルテンフリーの食事を心がけ、定期的なジム通い、食生活の見直しなど健康的な食文化への意識の変化も見られます。
日本食はヘルシーだという認識が強く、人気も高いですが、唐揚げやカツ丼が好きというところがニュージーランドらしくて憎めません。
また、主食になるジャガイモの品質改良をし、炭水化物の割合を減らした新しいジャガイモ、ロテトを見かける機会も増えてきました。
従来のジャガイモよりもさっぱりとしていますが、味はジャガイモです。
バーベキューやホームパーティーをしながら友人、家族とゆっくり昼間からお酒を飲みつつ過ごすことがニュージーランド人の典型的な休日の過ごし方です。
自分の好きなお酒、苦手な人はソフトドリンクとみんなでシェアできるような一品を持参するのがホームパーティーのマナーです。
ニュージーランドと日本の料理や食事・食文化, 食べ物の違いまとめ
・ニュージーランドはイギリス文化とマオリ文化がうまく共存し、現在のような食文化を築き上げた。食の国際化に伴い、食事や食生活の意識も変化してきている
・大きなニュージーランド食文化の特徴の1つにティータイムがある。ランチと一緒にティータイム用のスナックも持っていくので、ランチボックスはとても大きい
・甘いもの好きで、お酒好きが高じて肥満になる率が高い。健康的な食事を心がけ、食文化へ取り入れてきている
食事は旅の楽しみの1つでもあります。食事が食文化を知ることにも通じます。
慣れるまでは戸惑いも多いですが、その戸惑いや驚きも含めてニュージーランドを知る楽しみと捉えてみてはいかがでしょうか。
執筆者:woodbat
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